事業所のある風景

2024年1月15日

民医連事業所のある風景 山梨 巨摩共立歯科診療所 医科・歯科・介護連携でよりよい歯科治療を

 当院は山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する自然豊かな南アルプス市にあります。以前は巨摩共立病院内の一つの科でしたが、2014年10月1日から巨摩共立歯科診療所として単独での歯科治療を展開しています。近隣には同一法人の巨摩共立病院や訪問看護ステーションあらぐさ、やまなし勤労者福祉会の共立介護福祉センターももその(以下ももその)、一般社団法人YMPのあすなろ巨摩薬局があります。
 現在ユニット数は12台あり、職員は常勤歯科医師5人(うち研修医1人)、非常勤歯科医師1人、歯科衛生士9人、歯科技工士3人、事務3人で日々の診療を行っています。

子どもから高齢者、スペシャルニーズのある人まで安心して通院できる診療所をめざして

 診療は一般歯科から小児歯科、歯科口腔外科、またインプラントなどの自費診療など幅広く行っています。院内に歯科技工士がいるため、義歯の破損などの際には当日中に修理ができることは強みの一つです。
 2年前から摂食嚥下障害の治療にも力を入れており、非常勤歯科医師として大学病院の摂食機能療法を専門とする歯科医師が月に2回、巨摩共立病院病棟での回診や在宅往診での嚥下内視鏡検査(VE)の実施、常勤医師への指導などを行っています。22年には民医連外の介護施設2施設での嚥下スクリーニングを開始し、「協力歯科医療機関」の協定を結ぶことができ、嚥下治療と歯科治療を行っています。

医科・歯科・介護連携を強め、地域住民の生活を支える

 隣接する巨摩共立病院入院患者の入院から一週間以内に歯科スクリーニングを実施し、口腔ケア状況の確認、義歯の適合などを確認しています。歯科治療が必要な場合は病棟往診を行います。病棟の栄養サポートチーム(NST)にも歯科医師・歯科衛生士が参加し、口腔環境の評価や口腔ケアの提案などもしています。治療が必要な患者が退院する際はそこで治療終了とせず、在宅や施設往診につなげられるようとりくんでいます。病院や訪問看護ステーション、高齢者・障害者施設などに出向いて最期まで口から食べることの大切さを伝えています。こうした連携やとりくみの結果、19年以降安定した黒字経営ができています。
 また施設(ももその)のLIFE委員会に歯科衛生士が参加し、多職種で利用者の栄養状態を話し合い介護職員と連携して口腔状況改善にとりくんでいます。
 今後も外来から在宅・施設往診まで途切れることなく患者が必要な歯科治療が受けられるよう多職種との連携をさらに強化して、患者の変化(病だけでなく生活背景も)に気付き、対応できる知識・技術の獲得に向けて努力していきたいと思います。
巨摩共立歯科診療所 事務長 河西倫和)

お役立コンテンツ

▲ページTOPへ