副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2005年6月20日

副作用モニター情報〈225〉 中国製健康食品による健康被害の事例

 中国製健康食品の長期内服による、ステロイド過剰症の疑い症例が報告されました。
(症例)40代女性、16年前から慢性関節リウマチで 近医にて治療中だった。たまたま咳で当院を受診し、その時の血液検査が空腹時血糖値381mg/dl、HbA1C12.8%で、DMと診断された。また満 月様顔貌、顔面紅斑などがみられた。処方には副作用を疑う薬はなかったが、8年前から個人輸入で手に入れた中国製健康食品(活力固本丸)を服用しているこ とが判明した。リウマチの痛みに良いと思ったという。そこで、それに表示のない薬物が含有されていることを疑った。詳しい血液・尿の検査では、ACTH3.32pg/ml、コルチゾール0.80μg/dl以下、尿中遊離コルチゾール8.0μg/l以下で、続発性副腎皮質機能不全が疑われた。
 健康食品がステロイド様物質を含有していた疑いが強く、健康食品を中止させ、プレドニン10mg/日を補充、漸減し経過観察した。健康食品中止後約2週間でHbA1C値は12.8→10.7%、3カ月後には6.6%まで低下した。

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 インターネットなどの普及で危険な健康食品の入手が容易になり、健康被害にあう危険性が高まっています。この患者は友人のすすめで使用しました。このよう な被害を防ぐには、薬剤師も積極的な情報提供が必要です。厚生労働省の下記のサイトには、被害の報告があった健康食品リストが載っています。
「中国製ダイエット用健康食品等関連情報」
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/diet.html

(民医連新聞 第1358号 2005年6月20日)

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