くすりの話

1997年1月1日

くすりの話 納豆食べちゃダメ?(飲食と薬の飲み合わせ)

Q:友人が「心臓の薬を飲んでいるので、納豆は食べられない」といっていました。私も心臓を悪くして薬を飲むようになったのですが、やっはり納豆は食べてはいけないのですか?

A:「心臓の薬」といってもいろいろあり、薬によってさまざまな効果と特徴をもっています。納豆を食べてはいけない薬はワーファリンです。
ワーファリンは「抗凝固剤」といわれる薬で、血をサラサラにして血栓をつくりにくくする効果があり、心筋梗塞などの治療や予防に使われます。
納豆を食べると、腸内でビタミンKが合成され、ワーファリンの効果を弱めてしまいます。納豆を食べたために、心筋梗塞の再発作をおこした例もあります。 ワーファリンを服用している人は、納豆を絶対食べてはいけません。
また、ワーファリンを服用している人は、手術をしたり歯を抜いたりするときに、「ワーファリンを服用している」と医者に伝える必要があります。出血すると、血が止まらなくなるおそれがあるからです。
このようなワーファリン服用中の出血は、ビタミンKの投与で治療や予防ができます。
ふつう、医師がワーファリンを出すときは、患者さんに説明してくれるはずですので、わからないことは質問してください。

Q:高血圧の薬を飲んでいる知人が、救急車で病院に運ばれました。グレープフルーツジュースを飲んだためだったとか…。そんなことってあるんですか?

A:高血圧を改善する薬にも、やはりいろいろな種類があります。
カルシウム拮抗剤という薬は、おもに血管をひろげて血圧を下げる働きをします。この薬をグレープフルーツジュースといっしょに飲むと必要以上に血圧を低下させてしまうことがあるのです。
グレープフルーツジュースに含まれるフラボン配糖体という物質にはカルシウム拮抗剤が肝臓で分解されるのをじゃまする働きがあります。そのため血液中のガ ルシウム拮抗剤が増え、血圧を下げすぎてしまうのです。
カルシウム拮抗剤のなかでも、スプレンジール、アダラート、バイミカードなどの商品名の薬にはとくに注意が必要です。
そのほか、ミノマイシン(商品名)などある種の抗生物質は、牛乳といっしょに飲むとその成分と牛乳が結合してしまい、効果が弱まります。
アルコールは一般に、薬の作用を増強しますので、注意が必要です。
薬と食べ物との飲み合わせが心配でしたら、医師や薬剤師に気軽に相談してください。

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