くすりの話

2016年7月30日

くすりの話 192 薬膳とは

Q:薬膳とは、どういうものですか?

イラストA:薬膳の「膳」は食事の意味で、薬膳とは、季節や食べる人の体調に合わせ、食材や生薬(漢方薬の原料)を組み合わせた料理のことです。
 薬膳には“薬食同源”が基本にあります。薬食同源とは「すべての食べ物に薬効がある」「誤った食事は病を生み、正しい食事で病は自ずと癒える」という考え方です。
 中国の清朝時代には皇帝のための宮廷料理だったという説もあります。
■薬膳における分類
 薬膳では、全ての食物を「食性」「食味」という独特の効能で分類します。
 「食性」は、体を温める「温性」「熱性」、体を冷やす「寒性」「涼性」、どちらでもない「平性」に分類します。温熱性の食物は内臓や血管の動きを活発にし、血液の流れを良くします。寒涼性の食物は、体内で発生するさまざまな炎症を抑え、解毒や利尿を促進させる働きがあります。
 「食味」では、発汗を促し気の巡りを良くする「辛味」、栄養を補う「甘味」、汗を引き締め尿漏れなどを防ぐ「酸味」、熱や余分な水分を排泄する「苦味」、しこりや腫れ物を軟らかくし血圧を上げる「鹹味(塩味)」の効能に分類します。

Q:特別な食品が必要なのですか?

A:必ずしもそうではありません。薬膳に生薬を配合した献立が多いのは確かですが、普通の食材だけを使って作る薬膳もあります。食べられる物のなかで、作用が穏やかで長期に食しても身体に影響の無いものは「食材」、有毒であっても、量や使い方によって病気を治す効果のあるものは「生薬」とされます。
 例えば、病後の滋養強壮を目的とした薬膳の1つ「鶏汁粥」について、中国の専門書には次のように書いてあります。
 「鶏肉、もち米は共に温性で甘味がある。朝夕温めて食すると、胃腸の消化吸収力を高めて体に必要な栄養を獲得する効能がある。老人や、病後で体力低下、虚弱な人には適すが、壮健な人、もともと熱っぽいのぼせ気味の人は症状を悪化させることがあるので食べてはならない」。

Q:病気になった時に食べるものですか?

A:『中医食療法』という本には「多くの食療法が健康を増進させ、病気に対する免疫力を高め、老化を防止し、回復力を高めるといった働きをもつことが明らかになり、病気の治療や治療の補助として役立っている」と書かれています。
 病気の時には治療を助け、そうではない時には病気の予防や滋養強壮を目的とした薬膳を選ぶなど、体調に合わせて使い分けるようにしましょう。

◎「いつでも元気」連載〔くすりの話〕一覧

 

いつでも元気 2016.8 No.298

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