いつでも元気

2016年10月31日

くすりの話 プラシーボ効果とは

回答・市川智之(石川・菜の花薬局)

Q プラシーボ効果とはなんですか?

イラストA プラシーボ効果(プラセボ効果)とは、本来は薬としての効果を持たない物質によって、得られる効果のことです。デンプンなどを使い、薬のように見せた物を偽薬、またはプラシーボと言います。プラシーボ効果は無視できないもので、プラシーボ効果のみを目的とした偽薬を販売している会社もあるくらいです。
 プラシーボ効果は特に痛み、不眠、下痢に影響を及ぼし、ある実験では偽薬を飲ませた人の30%に鎮痛効果があったとの報告があります。また、体の細かい生理現象や臨床検査値にまでも影響を与えることがあります。しかし、偽薬によって副作用(有害な作用)が出ることもあります。

Q 医療現場で活かされている場面はあるのですか?

A 薬の開発に活用されます。開発された新薬が認可されるまでには、治験(臨床試験)をクリアしなければなりません。治験では偽薬を飲んだグループと、新薬を飲んだグループで有効性や安全性を比較します。偽薬に比べて副作用が少なく、はっきりと上回る効果が確認されて、初めて新薬は薬として認められるのです。
 最近でも偽薬より優位性を示すことができず、再評価の段階で販売中止になった薬がありました。
 プラシーボ効果は薬を飲む人の心理状態に大きく影響します。医師の説明を理解し信頼して薬を飲めば、薬の効果にプラシーボ効果が加わり、より高い効果が得られることがあります。また、医師の薬に対する態度や、患者さんに抱く感情もプラシーボ効果に関連すると言われています。
 専門知識に裏づけされ、自信をもって処方された薬はよく効きます。また、医師と患者の信頼関係が良ければプラスに、悪ければマイナスに働きます。良いプラシーボ効果を生むために、患者さんと良い信頼関係を築くように意識している医師も多くいると思います。

Q 私たちが普段から良いプラシーボ効果を得るにはどうすればいいですか?

A 医師との信頼関係を築き、薬の効果を理解して、体のどの部分にどのように作用するか想像し、「この薬はよく効く」と思って服用すれば良い効果が得られるでしょう。
 最近は厚生労働省の指導によって、より安価なジェネリック医薬品(後発品)の使用が促されています。ところが「ジェネリックは効かない」と思い込んでいる方もおられるようです。その思い込みがマイナスのプラシーボ効果を生むと、薬の効果が低くなってしまうかもしれません。思い込みを捨て、マイナスのプラシーボ効果を無くせば経済的にも良いと思います。

◎「いつでも元気」連載〔くすりの話〕一覧

いつでも元気 2016.11 No.301

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