くすりの話

2019年11月29日

くすりの話 
胃薬に含まれるナトリウム

執筆/藤本 正男(宮城・つばさ薬局上杉店・薬剤師)
監修/高田 満雄(全日本民医連薬剤委員会・薬剤師)

 読者のみなさんから寄せられた薬の質問に、薬剤師がお答えします。
 今回は胃薬に含まれるナトリウムについてです。

 寒さが一層厳しくなってきました。これからの季節は風邪を引きやすくなるだけでなく、忘年会などで思わず食べ過ぎたり飲み過ぎてしまい、胃の不調を起こすことも多くなるかもしれません。
 その際に、市販の胃薬に頼らざるをえない場合もあると思いますが、意外と知られていないのが胃薬に含まれるナトリウムのことです。
 塩分の摂取が血圧を上げることはよく知られています。これは食塩(塩化ナトリウム)に含まれるナトリウムの働きによって起こります。胃薬には胃酸を中和する目的で炭酸水素ナトリウム(重曹)という成分が含まれており、このナトリウムが塩分を摂取した時と同じく血圧を上げる働きをしてしまうのです。

ただでさえ多い塩分摂取量

 厚生労働省の国民健康・栄養調査(2017年)によると、20歳以上の塩分摂取量は1日あたり男性10.8 g、女性9.1 g。表1に示した基準と比べると、平均的な食生活でもいかに塩分を多く摂取しているかが分かります。
 胃薬に含まれる炭酸水素ナトリウムを食塩量に換算したものが表2です。
 血圧が高い方は塩分摂取量について1日6g未満を推奨されているにもかかわらず、胃薬の種類によっては1日分でその5分の1から6分の1相当量を摂取してしまうことになるのです。
 気軽に胃薬を購入される方も多いと思いますが、服用される方によっては注意が必要なものがあります。市販の胃薬を使用する際は、薬剤師などにご相談ください。

◎「いつでも元気」連載〔くすりの話〕一覧

いつでも元気 2019.12 No.338 

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