くすりの話

2020年2月14日

くすりの話 
飲み忘れを防ぐには

執筆/針田 昌子(石川・城北病院薬剤部・薬剤師)
監修/高田 満雄(全日本民医連薬剤委員会・薬剤師)

 読者のみなさんから寄せられた薬の質問に、薬剤師がお答えします。
 今回は薬の飲み忘れ防止についてです。

 薬剤師の私自身、数年前から薬を服用する生活を送っています、1種類だけですが…。
 1日1回、1錠にもかかわらず、毎日服用することの大変さを身をもって感じています。
 飲み忘れ防止で大切なポイントは、服用したかどうかを後から検証できることです。よく活用されているのは、「お薬カレンダー」に服用する薬を貼り付ける方法や、箱の中を区切って1週間分の薬をセットする方法です。
 ほかにも、薬を飲んだらカレンダーに印をつける方法はいかがでしょうか。ご自身のお薬手帳に小さなカレンダーを貼り付けて、書き込んでみてもいいかもしれません。
 「特別に何かをするのは面倒」という方は、服用した薬のシートや袋をすぐには捨てずに、食卓のテーブルなど決めた位置にとっておく方法があります。「あれ、今日は飲んだかな」と迷ったときに、その場所を見て確認することができます(空のシートや袋はその日のうちに捨ててくださいね!)。
 私の飲み忘れ防止策も紹介します。2つ折りのスマホケースのポケットに、常に薬(錠剤)のシート(6連)を挟んでいます。そして右上の錠剤を起点として、時計回りに月・火・水…と曜日によって取り出す箇所を決めます。スマホは1日に何回も手に取るので忘れません。私のようにいつ飲んでも差し支えない薬で、種類が少ない場合には良い方法だと思います。

高齢者の場合

 私自身の経験をもう1つご紹介します。認知症の症状が進んだ母が、薬の飲み方が分からず長時間悩んでいる姿を見て、慌ててお薬カレンダーを試したことがあります。ところが、すでに母は新たなことを受け入れるのが困難な状態にまで認知機能が低下しており、カレンダーに薬がついている意味が理解できませんでした。
 試行錯誤の末、私が毎朝テーブルの上に1日分の薬を出しておく方法に落ち着きました。我が家は同居していたのでそれで良かったのですが、つくづく「認知症が進む前にカレンダー管理などの方法が習慣になっていたら」と思った記憶があります。
 母の主治医に相談して、「1日3回を1回の処方にしてほしい」とお願いしたこともあります。結局、1日2回の服用になりましたが、服用回数を減らせばそれだけ飲み忘れ防止に神経をつかわずに済みます。服用回数の見直しは重要な飲み忘れ防止策です。
 上記を参考にしてご自身にあった方法を実践するとともに、高齢者の方は早いうちから処方の簡便化に向け、医師や薬剤師と相談しましょう。

◎「いつでも元気」連載〔くすりの話〕一覧

いつでも元気 2020.2 No.340

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