くすりの話
2023年5月31日
くすりの話 医薬品の分類
執筆/相馬 渉(青森・ファルマ弘前薬局・薬剤師)
監修/金田 早苗(全日本民医連薬剤委員会・薬剤師)
読者のみなさんから寄せられた薬の質問に薬剤師がお答えします。
今回は医薬品の分類についてです。
私たちが医療機関を受診した際に処方される「医療用医薬品」は、医師の診断・処方にもとづいて使用することが義務づけられています。症状に合わせた高い効き目が期待できる一方で、副作用の心配もあるため、薬剤師が薬をお渡しする際に「服薬指導」を行います。
医師の処方箋が必要な医療用医薬品に対して、処方箋がなくても購入できるものは「OTC医薬品」と呼ばれます。「OTC」は〝Over The Counter〟(カウンター越しに)の略で、「要指導医薬品」と「一般用医薬品」に分けられます。一般用医薬品はさらに、副作用の程度などに応じて「第1類」「第2類」「第3類」に分類されます(表)。
【要指導医薬品】
要指導医薬品の中には、かつて医療用医薬品として使われていた「スイッチOTC医薬品」などが含まれます。薬剤師のみが取り扱うことができ、店頭では購入者の手が届かない場所に陳列されています。
購入する際には必ず薬剤師と対面して、書面による説明を受けることが義務づけられています。薬を使用する本人に対し、適正な量を販売することになっており、インターネットや郵送による販売は認められていません。
【一般用医薬品】
・第1類医薬品
副作用や相互作用など、安全性の上で特に注意を要するものです。薬剤師のみが取り扱うことができ、店頭では購入者の手が届かない場所に陳列されています。購入する際には、原則として薬剤師から書面による説明を受けることが義務づけられています。
・第2類医薬品
副作用や相互作用など、安全性の上で注意を要するものです。薬剤師または登録販売者から購入することができ、その際の情報提供は努力義務とされています。
・第3類医薬品
安全性のリスクが比較的小さいもので、薬剤師または登録販売者から購入することができます。
薬剤師に相談
長引くコロナ禍で発熱しても受診できず、OTC医薬品で対応するケースが増えています。どの分類であっても「使用上の注意」に記載された内容をよく確認し、正しく使うことが大切です。分からないことがありましたら、お気軽に薬剤師にご相談ください。
いつでも元気 2023.6 No.379
この記事を見た人はこんな記事も見ています。