くすりの話

2017年1月31日

くすりの話 目薬のさし方

回答・岩本忍(岡山協立病院)

 「目薬をうまくさせない」というお悩みは、よく寄せられます。今回は目薬のさし方や気をつけるポイントについてお話しします。

目薬をうまくさす方法は?

 「目薬をさす時に思わず目を閉じてしまう」という声をよく聞きます。いくつかご紹介しますので、やりやすい方法を試してみてください。

  • 親指で下まぶたを、人差し指で上まぶたを大きく開く。
  • 人差し指で下まぶたを軽く引き下げ、あかんべえの状態にする。
  • 親指を中にいれてげんこつをつくる。げんこつを下まぶたにあてて引っぱり、目薬を持った手をげんこつの上にのせて点眼する。

 薬が目に入れば、1回の量は1滴で充分です。一度にたくさんさしても、効果は変わりません。目のふちや皮膚についた余分な目薬でかぶれることがあるので、目からあふれた薬は清潔なティッシュペーパー等でふき取ってください。

他の人が使っている目薬を借りても大丈夫ですか?

 目薬の貸し借りはしないでください。
 容器の先端が睫毛や瞼、手などに触れると、容器に細菌や花粉、目ヤニなどが付いて、目薬が汚染されてしまいます。汚染された目薬を使用すると、目の病気を起こしたり、症状が悪化する恐れがありますので、他の人の目薬は使わないでください。 
 ご自分が使っている目薬を清潔に保つためにも、さす時に容器の先を目に近づけすぎないよう、気をつけてください。

一度に数種類を併用してもよい?

 目薬を数種類併用することは問題ありません。ただし、続けて使用する場合には注意が必要です。
 まず、点眼の間隔は、基本的に5分以上あけてください(一部の緑内障の目薬は10分以上)。目薬は、目に吸収されるまでに5分程度の時間がかかります。そのため、すぐに別の目薬をさしてしまうと、前にさした目薬が洗い流されてしまい、効果を発揮できません。
 目をパチパチすると早く吸収されているように思うかもしれませんが、まばたきをすることで目薬と涙が目頭から喉のほうへ流れ出てしまうので、しばらくまぶたを閉じるか、目頭を軽く押さえるようにしましょう。
 目薬をさす順番は、前述したように先にさした薬が洗い流されやすいため、一番大事な目薬を最後にさすのが良いとされています。また、目薬には水に溶けやすいもの・溶けにくいもの、点眼後長く目にとどまるものなどさまざまな種類があり、その特徴によって順番を決めることもあります。
 点眼の順番はどの病気の治療に重点をおくかによって変わりますので、主治医に確認しましょう。

◎「いつでも元気」連載〔くすりの話〕一覧

 

いつでも元気 2017.2 No.304

お役立コンテンツ

▲ページTOPへ