くすりの話

2017年7月31日

くすりの話 乳幼児に薬を飲ませるコツ

回答/下浦芳久(兵庫・東神戸病院)
監修/高田満雄(全日本民医連薬剤委員会・薬剤師)

 赤ちゃんに薬を飲ませるのは難しいですよね…。薬の中には苦いものもあり、赤ちゃんは苦いと飲んでくれません。
 今回は、いくつかの飲ませ方を紹介します。

【注意】
 今回紹介するのは一般的な方法です。さまざまなアレルギーを持つお子さんや、薬によっては混ぜると性質が変わるものもありますので、お試し前には、薬剤師などに必ずご相談ください。

●粉薬

1.ゼリーに混ぜる
 ゼリーに混ぜるのは良くある方法ですね。赤ちゃんはゼリーが大好きです。ゼリーに混ぜる際は、いつも食べている一口の量に薬を振りかけ、そのまま口に入れてください。
 通常、薬には苦みをやわらげるために、甘いコーティングがしてあります。少し味が変わったことで赤ちゃんが警戒して嫌がるようであれば、薬を振りかけたゼリーの前に、いつも食べているゼリーを食べさせてみてください。薬のゼリーの後は、お口直しのゼリーも忘れずに。
2.少量の水で溶いて含ませる
 1回分の薬を小皿に開け、ごく少量の水(2~3滴)をたらし、粘土くらいの硬さにこねます。指で薬をすくい、上顎か頬の内側に塗り、白湯や水、麦茶などを飲ませましょう。舌に触れると苦みを感じますので、舌には載せないようにしましょう。
 水が多いと、柔らかすぎたり、薬のコーティングが溶けて苦みが増しますので、ご注意を。
3.アイスクリームやヨーグルト、ジャムに混ぜる
 一口分の量のアイスクリームやヨーグルト、ジャムに、1回分の薬を混ぜます。ゼリーに振りかけただけでは、舌に触れたときに苦みを強く感じますが、この方法だとより苦みを感じにくくなります。 
 乳製品は1歳を過ぎてからがお勧めです。

●シロップ剤

1.スプーン・スポイトを使う
 シロップ剤は、まずしっかりと振りましょう。その後、1回量を正確に測り、スプーンかスポイトで飲ませましょう。
 スプーンは喉の少し奥に(喉の奥を突かないように注意を)、スポイトは頬の内側に垂らすと飲ませやすいです。また、哺乳瓶の乳首に入れてもいいでしょう。この場合、乳首の穴は大きめの方が飲みやすいです。 
2.シャーベット状にする
 1回分のシロップ剤を凍らせ、シャーベット状にして口に含ませます。1回分を測る前にはシロップをしっかり振って正確に測りましょう。ほとんどのシロップ剤は、凍らせることができます。

●剤形や服用回数を変える

 現在、同じ効能の薬でさまざまな形状があります。飲ませにくい場合は形を変えたり、服用回数を減らしたりする方法もありますので、薬剤師に相談してみてください。

◎「いつでも元気」連載〔くすりの話〕一覧

いつでも元気 2017.8 No.310

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