MIN-IRENトピックス

2019年3月7日

くすりの話 
ウコン

執筆/藤竿 伊知郎(外苑企画商事・薬剤師)
監修/高田 満雄(全日本民医連薬剤委員会・薬剤師)

 ウコン飲料が、二日酔いを防止する目的で人気を呼んでいます。テレビCMなどの宣伝で目にする方も多いのではないでしょうか。2004年に大手食品メーカーがウコン飲料を発売したことで、若者にも利用が広がりました。現在の市場規模は300億円あまりに達しています。
 ウコンによる健康障害については、以前このコーナー(2005年4月号)でお伝えしました。しかし、現在でも「ウコンは肝臓に良い」という誤った理解が続いています。

続く副作用の報告

 ウコンは熱帯アジア原産のショウガ科の草の根茎で、カレー粉の黄色い香辛料「ターメリック」としても知られています。ウコンに含まれる「クルクミン」が肝臓を刺激し、脂肪の消化を助ける胆汁を分泌させます。
 クルクミンが持つ効能について、動物実験をもとに「二日酔い改善作用」「肝障害抑制作用」などが宣伝されています。しかし、人間を対象にした試験でないこと、販売企業による研究であることから、その内容は割り引いてみた方が良いでしょう。
 ウコン製品の利用者が増え、重い肝障害や薬疹(発疹)が注目されたのは、2000年代に入ってからです。日本肝臓学会の調査では、1994年から2003年に発生した民間薬・健康食品による薬物性肝障害の25%はウコンによるものでした。
 2004年10月、東京逓信病院がウコンによる死亡例を含む重篤な肝障害を報告しました。死亡した女性は、肝硬変で同院を受診。デパートで購入した粉末のウコンを毎日スプーン1杯飲み始めたところ、約2週間後に症状が悪化。入院しましたが、腹水がたまり約3カ月後に死亡しました。
 その後も副作用の報告が続き、2012年2月、日本医師会が劇症肝炎の症例を紹介しながら、ウコンの安全性に警鐘を鳴らしました。2017年8月、国民生活センターも「健康食品の摂取により薬物性肝障害を発症することがあります」と注意喚起しています。

薬と同様の安全対策を

 健康障害の原因として、ウコンの成分によるアレルギー、肝刺激作用、一部の製品に含まれる多量の鉄、食事で摂るより多量に服用することの問題が指摘されています。
 ウコンを健康食品としてたくさん摂取する場合、薬と同様の安全対策が必要です。服用していて全身倦怠感を感じた場合は、副作用を疑って服用を中止し、速やかに医師の診察を受けてください。

◎「いつでも元気」連載〔くすりの話〕一覧

いつでも元気 2019.3 No.329

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