くすりの話

2019年1月31日

くすりの話 
肺炎球菌ワクチン

執筆/本樫 寿裕(愛知・ファルマネットみなみ わかば薬局・薬剤師)
監修/高田 満雄(全日本民医連薬剤委員会・薬剤師)

 肺炎は現在、がん、心疾患に次いで日本人の死因の第3位で、肺炎で亡くなる方は年間約12万人に達します。そのうち96%が65歳以上の高齢者です。
 65歳はまだまだ若いと考えている方も多いと思いますが、年齢とともにからだの抵抗力(免疫力)は低下します。日頃、元気で健康的な毎日を送っている方でも、年をとると体調の変化などちょっとしたことがきっかけで肺炎を起こしやすくなり、急激に症状が悪化することもあります。65歳以上の方にとって、肺炎は決して軽視できない疾患です。
 肺炎を起こす原因菌で最も多いのが「肺炎球菌」で、肺炎の4分の1から3分の1を占めます。肺炎球菌は莢膜という分厚い膜に包まれており、身体の中に入ると退治するのが難しい細菌です。短時間のうちに重症化しやすい危険な細菌でもあります。

定期接種化で公費助成

 2014年10月から、肺炎球菌ワクチンが定期接種化され、公費助成を受けられるようになりました。14年度から18年度の5年間、それぞれの年度内に「65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳の誕生日を迎える方」を対象としましたので、65歳以上の方については一通り接種が済んだことになっていますが、みなさんはいかがでしょうか。来年度からは、接種日当日に65歳の方のみが定期接種の対象になります。
 対象となった年度に接種しそびれた方は、定期接種の対象にはなりません。任意接種となり、基本的に費用は全額自己負担となります。ただし、自治体によって助成を行っているところもありますので、詳しくはお住まいの自治体やかかりつけの医療機関へお問い合わせください。

効果は5年以上

 肺炎球菌ワクチンを接種すると病気に対する免疫ができ、細菌が体内に侵入した際に発症を予防したり、症状を軽くしたりすることができます。
 肺炎球菌には90種類以上の型があり、日本で認可されている肺炎球菌ワクチンには23種類の型が含まれています。これで肺炎球菌による肺炎の約6割をカバーできると言われています。また個人差はあるものの、ワクチンの予防効果は5年以上持続します。
 以前は肺炎球菌ワクチンは一生に一度しか接種できなかったのですが、2009年から再接種が可能になりました。ただし、短期間で再接種を行うと注射部位の痛みなど強い副反応の恐れがありますので、5年以上の間隔を空ける必要があります。

◎「いつでも元気」連載〔くすりの話〕一覧

いつでも元気 2018.2 No.328

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ