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「非戦・人権・くらし」を掲げ、大軍拡を阻止し、人権としての社会保障を維持・発展させるとともに、公正でジェンダー平等を多様性が尊重される社会へ

全日本民主医療機関連合会 会長 増田 剛

 47回定期総会は岩手県にて開催しました。多くの参加者からは、雄大な自然と憲法25条を体現した歴史への畏敬の念を示した感想が寄せられました。そして、3つのスローガン方針案の内容に関して、「新しい危機的なフェーズ」に入ったことへの理解と憲法の本格的危機が迫っていることが共有され、ケアの倫理の学びを力に、さらなる学習と職員育成の深化で困難を突破していくという意思統一がはかられた総会だったと感じます。

 民医連は、その時々の情勢や出来事を通して、事業と運動、理念を進化させてきました。阪神・淡路、東日本、熊本などの大きな災害で支援活動を取り組んできました。その中で、支援者である職員の心身に大きな負担がかかることを知り、支援者のケアも必要だという経験から実践も行ってきました。その後、コロナウイルス感染症が発生し、当初は予防法や治療法が分からず、医療者は「自分たちが死ぬかもしれない」という恐怖で診療や介護を行いました。この状況の中で、検査キットや医療用ガウン、マスクさえも足りなくなり、感染のリスクにさらされる医療者は、国に全く大事にされていないことが良くわかりました。これらの事実は、民医連にとって大きな出来事でした。民医連はコロナの時に、すぐに職員を守れという声をあげ、患者を守るのは当たり前ですが、職員を守ることを最大限に考えました。

 コロナ対応の最中では、「ケアの倫理」を学び実践に努めてきました。同時に、個人の尊厳や多様性の尊重、法の下の平等という憲法13条、14条などの条約も学びました。

 47期の運動方針では、「人権のタイムアウト」という言葉を使っています。タイムアウトとは、医療安全の場面で使う言葉です。例えば、手術前の短時間にチームの全メンバーがいっせいに手を止めて、手術内容の共有を行うことなどを意味します。「人権のタイムアウト」は、現場でこれは人権侵害ではないかと感じるような気づきをみんなで共有するために、タイムアウトをかける。少し落ち着いて、みんなで話し合う時間を必要だと考えました。

 昨今、医療・介護事業所の経営は危機的状況です。物価高やケア労働者の十分な賃上げに見合う、国の報酬が保証されていません。他産業に職種替えする人が出てきて、看護師、介護士不足が深刻化しています。多くの職員はケア労働の価値を感じています。そのような職員が「ケアの倫理」や憲法が規定する基本的人権への学びを深めることで、仕事のやりがいをさらに強く感じてほしいと願っています。そうした努力により自らの組織を変革していくことが、この厳しい状況を乗り越えていく力になると信じています。