副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2005年2月21日

副作用モニター情報〈217〉 クラビット錠によるショック、アナフィラキシー様症状を起こした例

(症例1)風邪で受診し、ノルブタン、ムコダイン、ブルフェン、ダーゼンが処方された。2日後、改善せずに再受診。クラビット、ダー ゼン、ブロチン末が処方され、昼食後服用。16時30分ごろ、じんましん様症状が出て近医受診。17時30分血圧48、呼吸苦に。救急搬送、1日入院後自 宅療養。この患者にはクラビット錠服用歴あり、LST試験結果は陰性。

(症例2)悪寒で受診、ソリタT3点滴、クラビット錠を処方。クラビット1錠服用後10分で眼瞼浮腫・呼吸困難。すぐ受診、血圧低下なし、酸素2L/分施行する。近医で、同剤を処方され、眼瞼、咽頭浮腫の副作用歴があった。

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 本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法はありません。内服薬でも、既往歴等 について十分な問診を行うことは重要です。特に抗生物質によるアレルギー歴は必ず確認を。アレルギーカードの作成や、「お薬手帳」の活用も重要な予防策で す。内服薬は注射剤のように投与後の経過観察ができません。投薬時、アナフィラキシー様症状等の説明と、「症状出現時には、すぐに受診する」という服薬指 導も大切です。

※参考…クラビットのアナフィラキシーショック症状の報告は、93年の国内発売以来、86件報告されています。(メーカー)

(民医連新聞 第1350号 2005年2月21日)

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