副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2005年8月1日

副作用モニター情報〈228〉 アレンドロネート製剤の脱毛について

「脱毛」は、副作用の重篤度では、グレード1であり低いランクです。しかし、患者にとっては日常生活上の容貌・容姿の維持に関わる切実な問題となる場合があります。
 今回、アレンドロネート製剤で「脱毛」報告がありました。
(症例1)60代女性。骨粗しょう症で、アレンドロネート5mgを内服。約4カ月後に髪が抜ける感じがして、5カ月後に医師に相談した。しかし骨密度が依然低いため内服継続。9カ月後には、あまり脱毛を感じなくなった。内服は継続している。
(症例2)70代女性。骨粗しょう症でアレンドロネート5mg内服。約5カ月後に皮膚科受診し円形脱毛症と指摘され、セファランチンを投与された。アレンドロネート中止後1カ月程度で改善傾向がみられた。
 メーカーの有害事象リストの中で脱毛は21例が報告されています。うち18例は60~80代の女性です。脱毛に、男女差があるかどうか、明らかではあり ませんが、報告数は女性が圧倒的です。発現時期は、報告の多くは内服後1~5カ月に起き、平均4カ月でした。また、このうち5例は中止後1~2カ月で回復 が確認されています。海外の報告では、脱毛発現時期は、投与後2~3カ月ごろ、中止後2カ月程度で回復しています。
 脱毛は、インターフェロンやホルモン製剤、高脂血症用剤など多数の医薬品の副作用として報告されています。
 医薬品の使用で、体調や容姿の変化が生じた場合、すぐに相談してもらえるよう情報提供していきましょう。

(民医連新聞 第1361号 2005年8月1日)

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