副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2005年9月5日

副作用モニター情報〈230〉 コエンザイムQ10 (CoQ10)による好酸球性肺炎の報告事例から

 CoQ10は生物のほとんどの細胞内に存在する補酵素です。医薬品としては1970年代から心機能の改善を目的に日本だけで使われました。が、現在では医療目的ではほとんど使われなくなりました。
 ところが、最近のサプリメントブームで健康食品として復活しました。「活性酸素によるダメージを防ぎ、免疫力を高める」と、宣伝されています。今回、 CoQ10の副作用として報告された好酸球性肺炎の症例を紹介します。
(症例)60代女性。友人に、「健康に良い」と、CoQ10をすすめられた。服用を始めて2~3カ月ころより咳が出はじめたが、風邪か花粉症だろうと様子をみていた。良くならないので受診し、軽い肺炎といわれた。
 クラビット錠を8日間服用後、クラリス錠を15日間服用しても改善せず、CoQ10の副作用を疑い、服用を中止した。プレドニンによる治療を53日間行い、完治した。

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 CoQ10のサプリメントの用量は、医薬品の常用量の3~9倍が宣伝されています。医薬品の常用量30mg/日では消化器症状や発疹など軽微な副作用が 1.5%です。サプリメントは医薬品の用量を大きく上回って摂取されることに注意しなければなりません。また、複合剤が増えていることも問題です。
 健康食品やサプリメントが流行し、今後も摂取する人の増加が予想されます。医師が患者さんの利用している健康食品類に気がつけば、もっと早く対処できたと思います。投薬時に「薬以外にも飲んでいるものはありますか?」と声をかけることが、重要になっています。

(民医連新聞 第1363号 2005年9月5日)

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