副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2006年1月16日

副作用モニター情報〈238〉 総合感冒剤(PL顆粒®)による好酸球性肺炎

  総合感冒剤が原因と考えられる好酸球性肺炎の症例が報告されました。この肺炎は、発熱、呼吸困難、乾性咳嗽を特徴とする薬剤性肺炎です。なんらかの外的要因による免疫反応が関与すると考えられています。
  本症例では、マイコプラズマ感染が誘因となった可能性もありますが、肺の好酸球浸潤、末梢血好酸球の増加、薬剤のLST(リンパ球刺激試験)陽性反応など から、薬剤性の急性好酸球性肺炎と診断されました。服薬の中止が遅れると重症化する危険もあるため、発症初期での速やかな診断、対応が必要です。

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  (症例)50代男性。発熱があり、近医で風邪と診断され、PL顆粒、フロモックス、ロキソニンが処方された。いったん解熱したが、3日目に再度発熱し、呼吸困難が出現、肺炎と診断され、紹介入院となった。
  入院時所見は39.2℃の発熱、動脈血酸素飽和度95%、努力呼吸あり、胸部X線で肺浸潤、CT上スリガラス状陰影を認め、両側肺野で捻髪音を聴取した。白血球数10700/mm3、 CRP45.0㎎/dlと高く、抗生剤を開始したが3日後に肺浸潤増悪。臨床所見および薬剤服用の経過から、薬剤性の間質性肺炎、または好酸球性肺炎を疑 い、ステロイドパルス療法を3日間施行した。翌日には肺浸潤が改善し、体温も36℃台まで回復した。パルス療法終了後、退院となった。
  近医から処方された3剤についてLSTを実施したところ、PL顆粒で陽性反応を認めた。マイコプラズマ抗体の上昇も同時に認められたが、特に治療は行わず改善した。PL顆粒は禁忌とし、禁煙もすすめた。

(民医連新聞 第1372号 2006年1月16日)

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