副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2008年2月18日

副作用モニター情報〈283〉 骨粗鬆症治療剤(エビスタ錠)の副作用

 骨粗鬆症治療剤ラロキシフェン(エビスタ錠(R))は、抗乳がん剤タモキシフェンや排卵誘発剤クロミフェンに類似した薬物群に属します。
 その副作用報告が多数寄せられています。骨粗鬆症に対するホルモン補充療法が血栓症の危険を高めるという理由で、積極的に行われなくなったことを背景 に、ラロキシフェンの使用量が増加していることと関係しているようです。
 副作用モニターに寄せられた報告は、2005年から合計で33件になりました。
 前回の報告には、視力低下や霧視などの視覚障害があったので、注意を喚起しました。
 今回の報告では、それらに加え、肺塞栓、浮腫や体重増加、動悸などの循環器系症状、胃痛や吐き気などの消化器症状、頭痛、手足のしびれなどの神経系、発疹が見られました。
 このように、ラロキシフェンの副作用報告は多様です。
 メイラーの副作用大事典には「タモキシフェンの急性の副作用はエストロゲンに伴う副作用で(中略)反射性混濁を伴う網膜症、嚢胞様黄斑浮腫、角膜症などを含む、いくつかの目の合併症、両視神経炎の報告がある」と記載されています。
 ラロキシフェンは、タモキシフェンに比べ、血栓症のリスクは低いとされていますが、報告の中に肺塞栓症の報告が見られるように、血栓症の副作用の危険は 存在します。そのほかの副作用も類似していると予測できます。
 婦人科や整形外科で処方される機会が多いと思いますが、内科や眼科領域のフォローも忘れないようにしましょう。間違っても男性に処方しないよう注意を願います。

(民医連新聞 第1422号 2008年2月18日)

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