副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2006年5月22日

副作用モニター情報〈245〉 クラリチンによる肝障害

  〔症例〕20代の女性で、2005年4月ごろから花粉症のためA院耳鼻科受診。5月からクラリチン錠を処 方され、1日1回、約1カ月服用した。そのあと、風邪症状や嘔気が続き、内科のB診療所を受診したが、クラリチンの服用を申告しなかった。血液検査では、 総ビリルビンが5.7、GOTは2744、GPTも3890と肝機能悪化、黄疸も見られたため、精査のため入院。A、B、C型肝炎、EBウイルス、サイト ロメガロウイルスは全て陰性、アルコール性も否定的。他に病歴、服薬歴がないため、クラリチンによる肝障害を疑った。
 入院後はウルソ錠1日6錠と安静で、入院2日後には、総ビリルビンが5.3、GOTは634、GPTも2369、そして5日後には、総ビリルビンは 1.7、GOTは44、GPTも437と軽快したので7日後に退院となる。1カ月後、外来受診にてGOTは19、GPTも26と正常値に戻った。  

*    *

 第2世代抗ヒスタミン薬のほとんどに、重大な副作用として肝機能障害が記載されています。肝機能障害は、今回の症例のように服用開始後、約2週間~2カ月の間に発現しやすいとされています。
 花粉症、湿疹などで耳鼻科、皮膚科でもよく処方されています。服用開始後2カ月間は、風邪症状や全身の倦怠感、食欲不振などの症状が現れたら、ただちに医師に連絡するよう服薬指導を徹底することが必要であり、定期的な血液検査も必要です。

(民医連新聞 第1380号 2006年5月22日)

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