副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2006年6月19日

副作用モニター情報〈247〉 ワクチンによるショック 皮膚反応報告から

*インフルエンザワクチン
 〔症例〕10代女性。アレルギー既往 はなし。インフルエンザワクチン0.5mlを皮下注射した数分後、立っていられず、座り込んでしまった。全身に発赤、血圧が低下し、全身に振戦あり、血管 確保できないためボスミン注0.2mlを皮下注射。その後、会話が可能になった。酸素分圧も低下していたため、酸素吸入しながら病院へ緊急入院。翌日には軽快し、退院となった。

*沈降精製百日咳ジフテリア
破傷風混合ワクチン(DPTワクチン)

 〔症例〕 0歳女児。1回目接種では異常なし。Ⅰ期2回目の接種の際、0.5mlを皮下へ注射した1時間後、全身性発赤が現れ、不機嫌に。1時間30分後、顔面・四肢・体幹に直径2~3mm大の膨隆疹が現れた。圧迫で消退し、紅班を伴い拡大した。入院し、ソルコーテフ1Aとペリアクチン1㎎を補液とともに投与、改善したため退院した。接種後23時間が経過していた。

*    *

 ワクチンによるアナフィラキシー反応や重篤な皮膚症状が報告されています。ワクチン接 種時には、事前に問診などで投与の可否を判断します。しかし、問診で分からないケースも多くあります。接種後30分は、アナフィラキシー症状発現時の緊急処置を考慮し、待合室などで様子を観察することが必要です。患者様やご家族に説明し、協力を求めることが大切です。DPTワクチンでは、Ⅰ期で3回の接種ですが、2回目や3回目の方が副作用発現頻度は増えるといわれています。
  なお、感染症情報センター「IDSC」のサイトにある予防接種ガイドライン2006年3月改訂版(予防接種リサーチセンター)を参考にしてください。

(民医連新聞 第1382号 2006年6月19日)

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