副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2006年8月7日

副作用モニター情報〈250〉 ビスフォスフォネート製剤(骨粗鬆症治療剤)の副作用について

 2005年度にビスフォスフォネート製剤による副作用の報告が13件ありました(ボナロン7症例、ベネット3症例、フォサマック2症例、アクトネル1症 例)。胃部不快感が4症例、腹部膨満感、胃痛が各2症例など、消化器症状の副作用が13症例(1件で複数症状含む)ありました。また、精神神経系の副作用 (めまい、ふらつき)が3症例、ほかに血痰、血圧低下が各1症例ありました。13症例のうち12症例は、中止後に回復しています。(1例は不明)。
 発現までの期間は、1カ月以内が9症例(うち3日以内が5症例)、1カ月以上が4症例です。
 〔症例1〕ボナロン錠を服用後、13日目で口内炎ができた。舌が白くなり痛みもあり、胃部に不快感。ボナロンを中止すると症状は軽減。この症例では正しく服用されていた(*注)。
 〔症例2〕ベネット錠を服用開始して、1カ月後より血痰。継続服用中は血痰が続いた。胸部レントゲンでは陰影なし。中止後、血痰はなくなった。服用法は守られていた(血痰の副作用は添付文書記載なし)。
 〔症例3〕ベネット錠を服用開始してから、ふらつきが起き、夕方まで続いた。翌日に再服用すると同じ症状が出現。中止すると軽快し、その後ふらつきの訴えはなし。

*    *

 ビスフォスフォネート製剤は、服用方法が煩雑です。用法を守った場合でも、消化器症状、精神神経系の副作用が高い頻度で出現します。服薬指導と服薬後の症状観察が必要です。来院、来局時に疑わしい症状がないかを必ず確認してください。
 副作用は服用開始後、早期に出現する場合が多いですが、1カ月後でも発症した例があり、服用期間中は常に注意が必要です。
 (*注)口内炎・食道炎・胃炎をさけるため、起床してすぐコップ1杯の水で服用する。噛んだり、口の中で溶かしたりせず、すぐに飲み込む。寝た姿勢で飲んではならず、服用後30分は横にならず、食事もさける。

(民医連新聞 第1385号 2006年8月7日)

お役立コンテンツ

▲ページTOPへ