副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2009年3月16日

副作用モニター情報〈306〉 メトロニダゾール錠による副作用について

昨年から今年にかけて、メトロニダゾール錠(フラジール(R)、アスゾール(R))による副作用として、発疹2件、湿疹1件、出血性大腸炎1件の報告が寄せられています。

 〔症例1〕20代・男性。潰瘍性大腸炎のATM療法(抗菌剤多剤併用の治験投与)で、メトロニ ダゾール、塩酸テトラサイクリン、アモキシシリンの内服開始。2日後から全身に発疹が現れ、服用を中止。その後、数日で発疹は軽くなった。その後の DLST(薬剤リンパ球刺激)試験により、アモキシシリンとメトロニダゾールが陽性を示した(約1年半前にも同一療法で発熱、湿疹あり)。

 〔症例2〕40代・男性。下痢、下血あり、アメーバ赤痢陽性で、メトロニダゾール内服開始。2日目に腕、背中に湿疹が現れた。そのまま約10日間服用して下痢は治まり、その後は湿疹も改善。
 ほか1件は、ヘリコバクター・ピロリの除菌に用いて発疹と出血性大腸炎が疑われた例です。

 メトロニダゾールは抗原虫薬としてトリコモナス症のほか、2007年8月からヘリコバクター・ピロリ菌の2次除菌に適応が追加され、1次除菌不成功例にクラリスロマイシンに替えて使用されています。また、上記症例1と2のように、適応外使用として赤痢アメーバ症、潰瘍性大腸炎(治験段階)、クロストリジ ウム・デフィシルなどの嫌気性菌感染症の治療にも応用されており、使用例が増加することが予想されます。
 こうした適応外疾患に対する高用量使用時の副作用として、けいれん、意識障害などの中枢神経系障害や急性膵炎などが添付文書へ記載されています。副作用発現には十分な注意が必要です。

(民医連新聞 第1448号 2009年3月16日)

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