副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2009年7月20日

副作用モニター情報〈314〉 ゼチーア(高コレステロール血症治療剤)の副作用

   ゼチーア(エゼチミブ)は、高コレステロール血症および家族性高コレステロール血症などを適応とし、2007年6月に発売されました。2009年1月~3月に本モニターにゼチーアによる副作用が7件報告されたので紹介します。
 副作用の内訳は、筋肉痛・脱力感など筋骨格系が3件、ほか、肝機能異常、発疹、下痢、放屁が各1件でした。放屁以外は中止により回復または軽快しています。
 両下肢の脱力感を訴えた症例では、服用7日目までに徐じょに両下肢の筋力が低下、同日にゼチーアを中止し、中止4日目に症状は改善しました。発売時の臨 床試験(504例)では、CK(クレアチニンキナーゼ)上昇が11件、関節痛3件、筋肉痛・四肢痛・背部痛が各1件となっています。また、CK上昇が単独 投与時で1.7%、スタチン類との併用では2.7%に上昇するというデータが示されています。
 肝機能異常を呈した症例は、シンレスタール(プロブコール)からゼチーアに変更し、その1カ月後にAST(GOT)・ALT(GPT)が、39・36か ら69・99に上昇、継続するうち100・97に上昇し、ゼチーアを中止しました。中止の1カ月半後に48・53に改善しました。途中で追加したリバロ (ビタバスタチン)も被疑薬とされてはいますが、経過からゼチーアの関与が強く疑われました。本剤は、臨床検査値の異常では肝機能値異常が最も多い頻度で 報告されているので、検査値の経過を注意して追う必要があります。
 本剤は、スタチン系薬剤で効果が不十分な症例に対し、使用が広がることが予想されます。また、スタチン系薬剤と併用するケースでも、今回報告されたような肝機能値異常や筋骨格系の副作用などに、十分注意していく必要があると考えます。

(民医連新聞 第1456号 2009年7月20日)

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