副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2010年4月19日

副作用モニター情報〈329〉 イソニアジドと飲食物との相互作用

 イソニアジドは、食事との相互作用で、不快な症状を引き起こす場合があります。
 それは、同薬がMAO(モノアミンオキシダーゼ)や、DAO(Dアミノ酸酸化酵素)を阻害するためです。
【症例】結 核のために入院し、イソニアジドによる治療を開始。3カ月後に転院し、外来治療を継続。入院中も含め、同薬と食事との相互作用について説明されなかった。 そのため、マグロ、チーズを食べて頭痛、吐き気を繰り返していた。イソニアジド服用以前は、マグロ、チーズを食べてもこのような症状は出現しなかった。

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 魚類には、マグロ、ブリ、ハマチ、イワシな どヒスチジンの含量の多いものがあります。ヒスチジンは体内で脱炭酸され、ヒスタミンに変化しますが、そのヒスタミン代謝にMAO、DAOが関与します。 そのため、同薬服用中に、これらの魚類を食べると、体内にヒスタミンの蓄積が起こり、頭痛、嘔吐、紅斑、掻痒感など中毒症状を起こすことがあります。
 また、モノアミン類の含有量の多い食品も注意が必要です。チラミンが多いチーズ、ワイン、そらまめ、イチジクなど、ヒドロキシトリプトファンを含有する バナナ、パイナップルなど、その他、レバー、酵母などを、同薬を服用中に食べると、血圧上昇、動悸、頭痛などのアミン中毒症状が出現することがあります。
 他にも、アルコール飲料やカフェイン含有飲料(コーヒーなど)で有害な相互作用を起こす場合があります。
 新規処方の際は当然ですが、他院からの継続処方の場合も、薬物相互作用と同様に食事との相互作用があることを伝え、注意を喚起することが必要です。

(民医連新聞 第1474号 2010年4月19日)

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