副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2010年8月2日

副作用モニター情報〈336〉 メシル酸ナファモスタット注射液(NM:血液凝固防止剤)によるアナフィラキシーショック症例

メシル酸ナファモスタット(以下NM)は半減期が短いため、出血性病変や出血傾向を有する患者、術後、血液透析の際などに、ヘパリンに代わる抗凝固薬として、使用機会が増えています。
 一方、近年NMによる重篤なアレルギー反応の報告があり、注意が必要になっています。当副作用モニターにも、アナフィラキシーショックの報告が1件ありました。
 厚生労働省『重篤副作用疾患別対応マニュアル』には、「アナフィラキシーショック」「アナフィラキシー反応」「アナフィラキシー様反応」の副作用名で、 NMが推定原因薬剤として、造影剤に次ぐ上位にあがっています。これまでに分かっている症例報告では、いずれもNMの投与歴があり、初回投与の際は明らか な異常は認められず、再投与で副作用が発現しています。
 また、透析導入の原疾患、透析歴、透析膜などと副作用発現との関連はないとされており、現時点ではアレルギー発症の予測は困難です。したがって、NM使 用の際には、透析中の除水による血圧低下以外に、薬剤によるアナフィラキシーショックの可能性にも常に注意が必要といえます。

(民医連新聞 第1481号 2010年8月2日)

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