副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2007年7月16日

副作用モニター情報〈272〉 ヒボキシル基を持つ抗生物質の副作用のまとめ

    メイアクト、フロモックス、トミロンは、ヒボキシル基を持つ内服用抗生物質製剤です。ヒボキシル基は生体内で代謝される過程でホルムアルデヒドを産生します。
 建築用材などから空気中に放出されたホルムアルデヒドは、シックハウス症候群やアレルギー性皮膚炎、気管支喘息の原因ともいわれています。内服薬から体内で発生した場合、人体に影響を与えないのか気になるところです。
 2006年度に副作用モニターに寄せられたヒボキシル基を持つ薬剤の副作用報告は22件。発疹が10件(フロモックス細粒3件、メイアクト小児用2件) と多数を占めました。ほか、下痢が3件、肝障害が3件、吐き気が2件、その他4件でした。小児に多い傾向が見られます。
 典型的な症例では、AMPC細粒を4日間服用後、メイアクト小児用細粒に変更したその日に発疹が出現。翌日にAMPC細粒に変更したところ、その翌日に発疹の消失が確認されました。不思議なことに、ほかの症例でも中止後1~2日と速やかに発疹などの症状が治癒しているのが特徴です。
 この症例ではβラクタム同士の交差反応とは考えにくく、ホルムアルデヒドに暴露している間にだけ起こる炎症反応という解釈が自然なようです。
 概して抗生物質製剤によるアレルギーは多く観察されます。最もアレルギーの多い抗生物質としてはセファクロルが知られています。最近、ヒボキシル基を持つ薬剤の副作用も目立つ印象があります。各施設での注意深い観察が望まれます。

(民医連新聞 第1408号 2007年7月16日)

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