副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2012年7月16日

副作用モニター情報〈376〉 ラモトリギン錠(ラミクタール錠(R))による皮膚障害について

 ラモトリギン錠(商品名:ラミクタール錠)は、2008年10月にてんかん治療剤として承認され、11年7月に双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制の効能・効果が追加になった薬剤です。
 添付文書では、販売開始時から「警告」をはじめ「重要な基本的注意」「重大な副作用」で、皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症などの重篤な皮膚障 害に関する注意喚起がされています。とくに皮膚障害の発現率は、投与8週間以内が高く、バルプロ酸ナトリウムと併用した場合や、小児に定められた用法・用 量を超えて投与した場合に高いことが報告されています。バルプロ酸ナトリウムとの併用では、ラモトリギン錠のグルクロン酸転移酵素による代謝が競合され、 半減期が約2倍に延長することが知られています。
 これまで全日本民医連副作用モニターに報告されたラモトリギン錠による副作用は6件で、発疹の副作用は4件でした(皮膚粘膜眼症候群グレード3の症例1 例を含む)。いずれも投与1カ月以内での発現で、3例はバルプロ酸ナトリウムとの併用でした。中には、過量投与により疑義照会したにも関わらず、用量が変 更されず、皮膚障害が発現した症例もありました。
 また、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に、08年12月~11年11月までに報告された副作用は、重篤な皮膚障害が397例で、用法・用量が確認さ れた251例のうち6割を占める152例で、承認された用法・用量から逸脱した使用での重篤な皮膚障害が発現していました。このため、厚生労働省は、今年 1月に「医薬品・医療機器等安全性情報・第287号」を出し、医療従事者への注意喚起の徹底を求めました。メーカーも昨年12月から、注意喚起の文書を直 接配布しています。
 ラモトリギン錠を投与する場合は、併用薬剤に注意しながら、用法・用量を順守し、増量時でも用量超過にならないよう、とくに皮膚障害に注意しながら投与 することが必要です。あわせて、患者への皮膚障害に関する服薬指導の徹底もお願いしたい。

(民医連新聞 第1528号 2012年7月16日)

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