くすりの話

2014年5月1日

くすりの話 167 漢方薬

Q:漢方薬について教えてください

genki271_01A:漢方薬は生薬と言って、薬効を持っている植物や動物、鉱物を組み合わせてつくられています。そして患者さんの体質や体型、抵抗力、自覚症状など、病気の状態を見極めながら使い分けます。
 虚弱体質に伴う病気や体力の低下、消化器の病気、アレルギー、ストレスで悪化する病気、更年期障害、月経痛、冷え症など、さまざまな病気や症状に使われ ます。また、慢性的なものだけではなく、風邪やインフルエンザなどに効果を発揮するものもあります。
 現在、日本では、ほとんどの漢方薬が保険適用になっています。

Q:漢方薬の飲み方は?

A:漢方薬は「煎じ薬」と言って、生薬を刻んで煮込み、成分を抽出した煎じ液を飲むのが一般的でした。しかし最近では、煎じ液を濃縮・乾燥させて粉末や顆粒にした「エキス剤」が多く普及しています。
 エキス剤は、熱いお湯に溶かして飲むと吸収がいいと言われていますが、吐き気があるときや吐血や下血時は冷たくしてから飲みます。お湯に溶かすとにおい がきつくて飲みにくい場合は、水で飲んでもかまいません。苦くて飲みにくい場合は薬剤師と相談して、蜂蜜やゼリーに混ぜるなどの工夫をしてみてください。
 また、漢方薬は食前か食間に飲むと効果的です。飲み忘れた場合は食後でもいいので、気がついたときに飲みましょう。胃に負担がかかるので、食後に飲んだ ほうがいい薬もあります。薬の効果が十分に出るように、医師の指示を守って服用しましょう。

Q:漢方薬の効果は人によって違うそうですが

A:漢方薬は体質や症状にあっていれば、速効性があるものは服用後10~30分ぐらいで効果が現れます。慢性の症状に使うものでは、2~4週間ぐらいで症状が改善され、体に変化が出てくるものもあります。
 しかし、患者さんによっては十分な効果がみられないものもあります。そのため医師は、患者さんが漢方の服用後に「どのような体調の変化が起きているか」 「副作用などはないか」を確認しながら、その人にあったものを処方します。医師が患者さんの体や症状にあった漢方薬を正しく選択できるよう、診察では自覚 症状を詳しく説明しましょう。
 漢方薬は一般的には副作用は少ないと言われていますが、体質にあわなければ食欲低下、発熱、じんましん、むくみ、動悸、不眠などの副作用が起こります。 また、まれに間質性肺炎など、重篤な副作用を起こすこともあります。「おかしいな」と思ったら、すぐに医師や薬剤師に相談してください。

いつでも元気 2014.5 No.271

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