副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2014年9月15日

副作用モニター情報〈423〉 ブレディニン錠による高尿酸血症

 ミゾリビン(製品名:ブレディニン錠)は、リンパ球増殖抑制作用や抗体産生抑制作用がある薬剤で、免疫抑制剤として腎移植による拒否反応の抑制、 ネフローゼ症候群、ループス腎炎、関節リウマチに使われています。今回、当モニターにミゾリビンによる高尿酸血症の症例が寄せられました。症例)70代男 性 たんぱく尿(7~10g)で入院、膜性腎症と診断された。プレドニゾロン(製品名:プレドニン)40mgとミゾリビン150mgの内服を開始。約2週 間後、尿酸値は7.4→8.6に。寛解して外来通院していたが、治療中断。
 3年後、下肢浮腫が増悪、その3カ月後にネフローゼ症候群再発で入院(尿酸値6.5)。プレドニゾロン35mg、ミゾリビン150mg、:ジピリダモー ル300mg、エナラプリルマレイン酸塩2.5mg、アトルバスタチン カルシウム5mg、ST合剤開始。
 内服開始から1週間後、尿酸値は7.6→8.4に。約2週間後、プレドニゾロン25mgへ減量。浮腫は改善傾向。尿酸値は8.4→10.8に。上昇傾向 継続。さらに約10日後、フェブキソスタット10mgを開始し、退院。尿酸値は11.6→5.4に改善した。

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 ミゾリビンで尿酸値が上昇するのは、その作用メカニズムに関係しています。ミゾリビンは主に腎臓から排泄されるため、脱水状態や腎障害のある患者や腎血 流を低下させる薬剤を併用している患者、高齢者などでは排泄が遅れ、ミゾリビンの血中濃度が高まり、副作用が増強する可能性があります。そのため尿酸の排 泄も低下、尿酸値の上昇につながることになります。
 副作用の半数以上は投与開始後3カ月以内に発現しています。尿酸値の上昇はほとんどが一過性であり、時間の経過とともに軽快するとの報告もあります。
 脱水状態や腎障害がある人、腎血流を低下させる薬剤を併用している人、高齢などへの投与の際は、低用量から開始したり、腎機能と血清尿酸値等の検査を頻回に行う必要があります。

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