副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2014年12月1日

副作用モニター情報〈428〉 ビスホスホネート系骨粗鬆症治療薬のインフルエンザ様症状・関節痛

 ビスホスホネート系骨粗鬆症治療薬について、インフルエンザ様症状、関節痛の副作用報告があったので紹介します。
症例)70代女性。ボナロン初回35mg。服薬翌日から発熱、腰痛が出現。ボナロン5mg連日投与に変更し、その後症状は改善したが、服用2カ月後に関節痛が出現。

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 インフルエンザ様症状は急性期反応で、一過性の発熱、背部痛、倦怠感、関節痛などの症状が見られます。ほとんどは軽症で、 継続して使用していても、症状はやがて消失します。発生頻度は月1回製剤>週1回>毎日投与、の順に多いと報告されています。破骨細胞内でメバロン酸代謝 経路のイソペンテニル酸からファルネシルピロリン酸への合成経路を阻害し、イソペンテニルピロリン酸が増加することで急性期反応を引き起こすと考えられて います。
 関節痛に関しては、2008年にFDA(アメリカ食品医薬品局)の通知「ビスホスホネート系薬剤:重度の筋骨格筋痛発現の可能性」で、ビスホスホネート 系薬剤を使用した後、場合によっては動作不能となる骨痛、関節痛や筋痛が生じる可能性がある、と指摘されています。重度の筋骨格痛は、ビスホスホネート系 薬剤の使用開始から数日、数カ月または数年以内に生じる可能性があり、薬剤の中止後、完全に消失した報告もあるが、不完全との報告もある、とされていま す。
 インフルエンザ様症状は、使用を継続した場合でも、数日以内に消失する傾向にあります。一方、筋骨格痛は疼痛や機能障害が持続し、鎮痛剤を必要とする ケースもあります。そのため、ビスホスホネート薬剤が原因の可能性がある場合は、一時的または完全な使用中止を検討すべきです。
 なお、当副作用モニター情報419回「ミノドロン酸50mg錠による痛みについて」(本紙7月21日付)も参考にしてください。

(民医連新聞 第1585号 2014年12月1日)

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