副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2004年6月7日

副作用モニター情報〈201〉 プレグランディン膣坐薬による子宮破裂

 プレグランディン膣坐薬は、妊娠中期の治療的流産に使用されているプロスタグランジンE1誘導体です。本剤は強い子宮収縮作用と子宮頸管開大作用を有し、重篤な副作用として子宮破裂、子宮経管裂傷、子宮出血が報告されています。

(症例) 32歳女性、妊娠18週。破水ならびに絨毛膜下血腫を伴い妊娠継続が困難と判断された。本剤を初日に3 時間ごとに4個、夜間ラミナリア挿入し、翌日再度3時間ごとに3個使用し中止。2時間後子宮口開大で出血多く、血性の塊が出現。胎盤が先に出てきたため早 期剥離と判断し、DIC並びに貧血の治療に移行した。8日後、エコー検査で子宮破裂を確認。翌々日に子宮修復術を施行した。

 本症例は、原疾患として絨毛膜下血腫や子宮内感染があり、子宮筋層の弱い部分があったところに本剤による強い子 宮収縮で子宮破裂がおこった可能性が強いと考察されています。一般に「帝王切開、子宮切開の既往歴のある患者や多胎妊娠、多産婦の患者では特にリスクが高 い」とされており、症例ごとに本剤の投与可否を含め慎重な対処が必要です。 また経過中に子宮破裂や経管裂傷を生じても、強い下腹部痛など顕著な兆候を示 さない症例も報告されており、子宮内容物排出後にも慎重に内診を行うことが重要です。

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