くすりの話

2002年9月1日

くすりの話 58 ジュースの飲み過ぎに注意

Q:高校生の息子がよくジュース(清涼飲料水)を買って飲んでいます。飲みすぎるのはよくないと言いますが実際はどうなのでしょうか?

A:清涼飲料水には果汁入りのもの、炭酸飲料など、1.5 ~2rのペットボトルも数多く出ています。10~20代の若者をターゲットに、次々と新規商品が開発されているのが現状です。
 一般に清涼飲料水に砂糖は10%含まれています。たとえば、コーラ1缶350pには35g以上の砂糖が含まれていることになり、1.5rのペットボトルのカロリーはほぼ食事一食分になります。
 しかも、 食べ物と違って砂糖はすぐ吸収され、血糖値が急激に上昇します。ジュースのがぶ飲みを習慣的に続けていると、血糖上昇によるのどの渇きで、さらにがぶのみ するという悪循環に陥ります。いわゆる?ペットボトル症候群?と呼ばれる糖尿病を発症、昏睡に陥り、緊急入院するような若者も近年急増しています。
 以上のことを考えると水がわりに清涼飲料水を飲むのはやめるようにしなければなりません。

Q:砂糖が多い以外に注意することがありますか?

A:薬の飲み合わせでも注意が必要です。清涼飲料に含まれる炭酸、カフェイン、ビタミンなどが、薬物の効果に影響を及ぼすケースも少なくありません。コーラやサイダーなどの炭酸飲料は、総じて酸性度が高く、pH2~3といわれています。
 このため、風邪薬などにも使われる抗生物質のアンピシリンやエリスロマイシンを炭酸飲料と共に服用すると、酸の影響で、有効成分が分解されて薬効が低下することがあります。
 また、「レモン…個分のビタミンC」など、大量のビタミンCを売りものにした清涼飲料も売られています。大量のビタミンCとの併用で血中濃度が上昇する 薬には、女性ホルモン剤のエチニルエストラジオールが知られています。最近使用が認められた低容量ピルも、影響をうける可能性があります。


■乳児用清涼飲料水からアルコールが検出!!
 「生後5カ月の男児に、ペットボトル入り赤ちゃん用清涼飲料水を飲ませたところ、顔が赤くなった」 という相談が大阪府立消費生活センターに寄せられました。同センターで分析したところ(期間2001年6 ~9 月)、調査した全9銘柄からアルコール(最高0.13%)が検出されました。
 一般的に清涼飲料水には香料が使われています。その香料を溶かすためにアルコールが使われるのです。
 赤ちゃんの肝機能は未熟なためアルコールが分解されず肝臓に悪影響をきたすともいわれています。業界は乳児の健康に十分配慮した商品開発をすべきであり、国は業界への指導・監視をきちんと行なう責任があります。

いつでも元気 2002.9 No.131

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