くすりの話

2016年3月31日

くすりの話 188 ジェネリック医薬品(後発医薬品)について

Q:ジェネリック医薬品とはなんですか?

genki294_22_01A:ジェネリックとは英語で「ノーブランドの」という意味があります。
 新しい医薬品をつくるには、開発から製造・販売の承認まで、長い時間と多大なお金がかかります。有効成分や製法、使用する製剤などにはそれぞれ20~25年の特許期間が設けられ、特許期間内は承認を受けた製薬会社が独占的に販売できます。このようにして販売される薬を「先発医薬品」と言います。
 ジェネリック医薬品とは、先発医薬品の有効成分の特許期間が過ぎたあとに、他の製薬会社が製造・販売できる後発医薬品のことです。同じ有効成分で、効き目・品質・安全性が同等であることを条件に、国が製造・販売を承認しています。薬の開発費用がほとんどかからないため、先発医薬品より低価格です。

Q:効能や効果は先発医薬品と全く同じですか?

A:ジェネリック医薬品は、効果が同じであることを条件に販売されています。しかし、有効成分以外の特許期間が終了していない場合は、先発医薬品と全く同じ薬は製造できず、添加物や製造方法を変えて製造することが一般的です。ごくまれに先発医薬品では何の副作用もなかったのに、ジェネリック医薬品では添加物が原因でアレルギーが出る場合などがあります。
 例外として「オーソライズドジェネリック」というジェネリック医薬品があります。これは、先発医薬品製薬会社がジェネリック医薬品製薬会社と契約し、特許の使用権を与えて製造されるものです。特徴は、先発医薬品と全く同じ有効成分・添加物・製造方法であることです。
 一方で、ジェネリック医薬品ならではの改良がされているものもあります。例えば、飲みやすいサイズや味、口の中での溶けやすさ、などです。

Q:ジェネリック医薬品が出回ると先発医薬品を開発した会社は困らないのですか?

A:先発医薬品の製薬会社は、特許期間内に開発費以上の十分な利益を上げており、ジェネリック医薬品が出回ることで製薬会社が困る、とは考えづらいです。むしろ製薬会社には、得た利益をさらなる安全で有効性の高い医薬品の開発や研究に振り向けられることが望まれます。
 現在、国による医療費削減が叫ばれ、ジェネリック医薬品を積極的に取り入れる方向にすすんでいます。ただ、どちらを選ぶかは、本人の希望によります。悩んだときは、医師や薬剤師にご相談ください。

◎「いつでも元気」連載〔くすりの話〕一覧

 

いつでも元気 2016.4 No.294

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