くすりの話

2001年11月1日

くすりの話 52 冷やす?温める? 湿布にもいろいろ…

Q:肩がこったり、打ち身・ねんざをしたり、湿布を使いたいなと思う場面があります。湿布には温湿布と冷湿布がありますが、その使い分けを教えてください。

A:冷湿布はおもに急性疾患で、赤く腫れて熱を持ち、痛みがある状態のときに使います。とくに、打撲やねんざなどの初期(最初の5~7日間)に使うのが有効です。冷やすことで血管が収縮し、炎症を抑え、痛みを鎮める効果が得られます。
病院で処方される冷湿布の多くは抗炎症剤が含まれています。アレルギー体質の方は喘息発作などの原因になることもありますので気をつけてください。
日焼けや発熱、やけどなど、冷やすだけが目的の場合は、流水や氷を使用した方がよいでしょう。
温湿布はおもに慢性の症状で、肩こりや腰痛、関節痛など、筋肉がこわばって、動かすと痛みがある状態のときに用います。温めると血管が拡張し、血液の循環 がよくなります。その結果、関節などの緊張がやわらぎ、鎮痛効果が得られます。
温湿布は入浴前後30分以内は貼らないでください。貼ったところがカッカして、カチカチ山のたぬきになりますよ。
今回は、温湿布と冷湿布の一般的な使い分けをお答えしましたが、湿布で温める方がよいか、冷やす方がよいかは、使用する方の好みに応じて使われている場合 が多く、はっきりとした基準はありません。大きく間違えなければ、気持ちのよい方を使ってください。

Q:市販のもので、足が疲れたときに貼るようなものもありますね。これは疲れた足に効くのですか?

A:最近コマーシャルやインターネットなどで、さまざまなものが販売されていますね。
「足の裏に貼ると、体中の毒素を吸い出して健康にいい」と信じさせる宣伝文句で販売されているものもあります。成分は「どくだみ、ユーカリ、よもぎエキ ス、その他」としてあって、すべての成分がはっきりしていません。これらは、冷やすというより、水分の吸収を目的としたものが多いようです。
立ち仕事などで足がむくむという方には、多少効果が期待できるかもしれませんが、はっきりとした薬理作用はといわれると、よくはわかっていません。気持ち がよければ使ってみても毒ではなさそうですが、余り高価なものは買わないほうがよさそうですね。

いつでも元気 2001.11 No.121

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