くすりの話

2000年1月1日

くすりの話 35 副作用を疑うとき

Q:副作用はどんなときにおこるのですか?

A:副作用は、体質や病気に合わない薬をもらったとき、薬の量が多すぎたとき、ほかの薬や食べ物との飲み合わせが悪かったとき、薬の使い方がまちがっていたときなどに多くおこります。
 したがって、以下のことに注意すれば、副作用をかなり防ぐことができます。
 1)指示どおりの薬の使い方を守る。
 2)自分に合わない薬は覚えておき、事前に医師・薬剤師に伝える。
 3)飲んでいる薬のおこりやすい副作用とその対処法を知る。
 4)飲み合わせに注意した方がよい薬や食べ物、飲み物などを知る。
 5)自分の病気に対する薬の効果と、薬についての注意点を知る。
副作用は、薬を飲み始めて1年ほどたってからおこる場合もまれにありますが、ほとんどの場合は1カ月以内におこります。飲み始めの1カ月はよく注意しましょう。

Q:「肝臓や腎臓の働きが悪い人は薬の量をひかえて」と聞きました。具体的にはどうしたらいいのですか? また高齢者や体の小さい女性も、薬の量を減らした方がいいと聞いたことがありますが。

A:薬は主として肝臓で代謝され、腎臓から排泄されます。したがって、肝臓や腎臓の悪い人は、薬の成分が長い時間体内にとどまります。副作用がおこりやすくなりますので、薬の量をひかえめにしたり、服用間隔をあける必要があります。
一般に高齢者の服用量は成人の半分でよいといわれています。処方薬は医師が調整するでしょうが、市販薬を飲むときにも量を半分にするか、あるいは1日3回 を2回に減らし、効果がなければ増やすというようにするとよいでしょう。

Q:副作用はどんな症状が多いのですか。

A:みどり病院の副作用モニターには、湿布のかぶれなども含めて年間600件以上の副作用が報告されており、これは患者さんの約1%です。ほとんどの人は薬をやめるだけで回復しています。
また、消炎鎮痛剤による潰瘍など、症状が重くて入院した患者さんは約5000人に1人とわずかで、これも治療によって回復しています。
どんな薬で副作用がおこるかをグラフにしました。(1990~1995年2184件)。

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症状で多いのは、胃炎など(28.5%)、発疹(14.9%)、頭痛など(10.9%)です。かぜと似た症状がじつは重い副作用の初期兆候だったなど、予測のつかない副作用もまれにあります。
薬剤師法では、薬剤師が薬を患者さんに渡すとき、薬の効果はもちろん、副作用やその対処の仕方、飲み合わせで注意することなどさまざまな情報を伝えること を義務づけています。患者さんも、気になることはどんどん聞いてください。

いつでも元気 2000.1 No.99

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