くすりの話

1997年1月1日

くすりの話 1 かぜ薬の不思議

Q:市販のかぜ薬と病院でもらうかぜ薬の違いいは?

A:市販のかぜ薬はおもに総合感冒薬で、発熱、関節痛、咳、鼻水などを抑える成分が5~6種類配合されています。そのために、ひとつの薬でいろいろな症状に対応できる半面、そのとき必要のない成分まで含まれています。また、ひとつひとつの成分の量は控えめです。
病院で医師は患者さんの症状や体質にあわせて薬を処方します。ひとつの薬のなかには1種類の成分しか含まれていないものが多く、何種類ももらうと「薬の数 が多い」と思うかもしれませんが、じつは、その人に必要な薬だけが処方されているのです。
かぜが原因の二次感染の治療に、抗生物質が出されることがあります。抗生物質についは、7ページをご覧ください。

Q:かぜ薬を飲むと眠くなります。眠くならないかぜ薬はないのですか。

A:かぜ薬といわれるものには、くしゃみや鼻水、鼻づまりを楽にする抗ヒスタミン剤が含まれています。ほとんどの抗ヒスタミン剤には、副作用として眠気があり、頭がボーッとする原因になります。
抗ヒスタミン剤が含まれないかぜ薬(漢方薬など)は眠くなりません。また、カフェイン配合など眠気を軽くする工夫がされているものもあります。
かぜのときはすぐ総合感冒薬を飲むよりも、栄養をとり暖かくして寝るのが一番です。そして、自分の症状に必要な薬だけを選択することも大切です。
かぜのひき始めで、くしゃみや鼻がうっとうしいとき、抗ヒスタミン剤入りの薬を飲んで、早めにぐっすり眠ると、かぜもひどくならずにすみます。この場合 は、眠気の作用も大切な効き目のひとつかもしれません。

Q:家族が咳のでるかぜをひき受診、薬をもらってきました。私も咳がでだしたので、その薬をもらって飲んだところ、体に発疹がでてしまいました。

A:病院の薬は、その患者さんのその時の症状に応じて処方されたものです。同じようなかぜの症状でも、診断が違ったり、薬の種類や量が異なるかもしれません。かぜ薬くらいならと、家族がもらった薬を飲むようなことはさけたいですね。
薬には、飲み合わせでその作用を強めたり、弱めたりすることがあります(相互作用)。とくに、慢性疾患などで常時薬を飲んでいる人は、他人の薬をもらって飲むことはさけましょう。
薬を飲んで発疹が出たら、副作用の可能性があります。病院で副作用かどうか調べてもらいましょう。その際、飲んだ薬をかならず持っていきます。薬のアレル ギーによる副作用の場合は、2度目のときもっとひどくなる特徴があります。
副作用だった場合、その薬品名を記録しておき、受診の際には医師にそのことを伝えましょう。

いつでも元気 1997.1 No.63

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