くすりの話

1998年2月1日

くすりの話 13 野菜でかぜを治す

Q:冬はかぜをひきやすいですね。よくネギやショウガがひきはじめのかぜに効くと聞きますが、どのように使えばよいのですか?

A:かぜは、少ない人で年に1~2回、多い人では5~6回ひくこともあります。かかってもふつう、1週間前後で治ってしまうものですが、こじらせると肺炎や胸膜炎をおこすこともあるため、ひきはじめに治すことが大切です。
かぜの予防や治りを早めるには、温かくしてゆっくり休み、十分な栄養をとることがまず大切です。ひいたかなと思ったときに台所にある野菜で対処してみてください。
症状が重い場合はインフルエンザウイルスによることが多いので、早めに医師の診断を受けることが必要です。

●ネギ-発汗作用
味噌汁の具としてもよく使われるネギは、発汗作用があり、かぜのひきはじめの汗の出ていないときに向きます。ネギの白い部分は葱白といって、漢方生薬のひとつです。
(みそスープの作り方)
ネギの白い分10㎝をみじん切りし、スプーン1杯くらいのみそを加え、熱湯を注いで飲みます。

●シソ-香りのよい咳止め
薬味に使われなじみの深いシソも、かぜで寒気や熱のあるときに効果のある食べ物です。咳やたんを止める作用もあります。  シソの葉は紫蘇葉、種子は紫蘇子という漢方生薬でもあり、薬効はともに咳止め、鎮静、鎮痛、解毒、利尿です。
(煎じ方)
シソの葉10枚にショウガ5gを加え、300㏄の水で半量になるまで煎じます。シソの葉10枚に乾燥させたミカンの皮=陳皮とショウガを3gずつ入れ、 600㏄の水で半量になるまで煎じたものを1日3回、温かいうちに飲んでもよいでしょう。

●クズ-解熱の妙薬
山野に自生する豆科のつる性多年草のクズは、お菓子の原料やクズ湯として親しまれています。  クズの根は葛根という漢方生薬です。
(クズ湯)
かぜのひきはじめ、クズ湯に梅干し1個とハチミツ少量を加えて、コップ1杯飲んでください。その後温かくして寝ると、汗が出て治ります。

●ミカンの皮-のどの痛いときに
ミカンを食べたあと、皮をとっておき乾燥させると立派な漢方生薬・陳皮となります。古いものほど薬効があるため、そう呼ばれています。健胃、利尿、咳や吐 き気をしずめる効能があります。ただし、ミカンの皮は無農薬でノーワックスのものを使います。
(煎じ方)
新鮮な果皮なら30g、陳皮なら10gを600㏄の水で半量になるまで煎じ、1日3回、ハチミツをスプーン1杯加えて、温かいものを飲みます。かぜのひきはじめで、のどの痛いときによい飲み物です。

いつでも元気 1998.2 No.76

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