くすりの話

1998年4月1日

くすりの話 15 ビタミン剤はきく?

Q:目の疲れや腰の痛みに効くというので市販のエスファイトゴールド(錠剤)を飲んでいます。たしかに効くような気がします。アリナミンAがいいという人もいますが本当に効くのでしょうか。

A:エスファイトゴールドもアリナミンAも、肉体疲労時などのビタミンB1、B6、B12の補給、神経痛、筋肉痛、関節痛などの症状改善、眼精疲労に効果があ るといわれる、いわゆるビタミン剤です。  ビタミンはそれ自身に栄養があるわけではなく、体の代謝(老廃物を出し、栄養素をとりいれる)に必要な栄養素です。他の動物は体内でつくっていますが人 間はつくられないので、食べものでとっているわけです。ですから食事ができないよう場合は、注射や飲み薬で補給する必要があります。
ビタミンB1が不足すると糖質の分解ができないので、乳酸などの疲労物質がたまって肩こりがおこったり、疲れやすくなったりします。そこで肉体疲労時のビ タミンB1補給が効果的となるわけですが、同時に糖質の補給もなければビタミンだけを補給しても意味がないわけです。ビタミンB2は神経細胞の機能を正常 に保つ働きがあるといわれ、不足すると眼精疲労になるといわれています。
目の疲れや腰の痛みがビタミン不足によるものであれば、ビタミン剤を飲むことで一定の効果は期待できると思います(目の疲れには飲み薬よりも目薬の方が効果的です)。
しかし、これらのビタミンは通常の食生活をしていれば、必要量を十分とることができます。ふつうに食事をしているのに症状がある場合は、原因がほかにある 場合も考えられますので、受診をおすすめします。

Q:ビタミンの取りすぎによる副作用はないのでしょうか。

A:ビタミンB群は水溶性で、必要量以上に摂取した分は尿から排泄されるので、取りすぎによる副作用はありません。しかし、人によっては胃の調子が悪くなったり、下痢などをおこすことがあります。
また、脂溶性のビタミンは、脂肪といっしょに体内に蓄積されるので、取りすぎによる過剰症が問題になります。
現在では薬局・薬店だけでなく、スーパーやコンビニでもたくさんのビタミンが売られていて、これさえとれば健康になれるかのように宣伝されています。しか しビタミンは、いわば体の潤滑油の役割です。ビタミンだけで健康な体がつくられるわけではありません。

いつでも元気 1998.4 No.78

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