くすりの話

2004年9月1日

くすりの話 73 おくすり手帳

Q:おくすり手帳とはどんなものですか?

A:処方せんを受け付けている保険薬局で薬を渡されるとき、薬剤師から「おくすり手帳はお持ちですか」と聞かれると思います。おくすり手帳は、ご自分で飲ん でいる薬の内容を記録しておくためのポケットサイズの手帳で、無料でお配りしています。もし、お持ちでなければ薬局に処方せんを出すときに、薬剤師に申し つけてください。
  薬局では、出された薬の内容(薬の名前、処方した医師名・医療機関名、飲み方、効用など)を印刷したシールを手帳にはったり、薬剤師が書きこんで記録され ます。ことし4月から、手帳の中身には薬の相互作用(飲み合わせ)も必ず記されることになりました。記入するときは情報料として20円から50円の自己負 担金がかかりますが、安全に薬を飲むための大切な情報になります。

Q:手帳はどんな役に立つのですか?

A:いくつかの医療機関にかかったときに、同じ成分の薬が重なって出され、どちらも飲んでしまうと、量が多すぎて副作用が出ることがあります。また、飲み合 わせの悪い薬が同時に処方されてしまうと、効き目がなくなることもあります。どんな薬を飲んでいるか、医師や薬剤師に手帳をみせることで、これらを防ぐこ とができます。
  過去に飲んで副作用のでた薬を記録しておけば、それと同じ種類の薬が処方されるのを防げます。
  かぜ薬や胃腸薬などの一般薬を買うときも、手帳を薬剤師に見せることで、病院でもらっている薬との飲み合わせをチェックできます。

Q:患者が手帳を活用するうえで注意することは?

A:先日、薬局においでになったある患者さんの手帳には、あいているスペースに、血圧や検査の結果、薬を飲んで感じたことなど、そのときの身体の状態がメモしてありました。これも便利な活用法ですね。
  大切なのは、手帳は必ず1冊だけにして、情報は全部それにまとめてしまうことです。ほかの医療機関で出た薬との重複をさけるための手帳ですから、どこで何 の薬をもらったか、これ1冊でわかるようにしておきましょう。
  そして、保険証や診察券といっしょに、いつも持ち歩かれることをおすすめします。薬局だけでなく、医師にも見てもらってください。
  旅行先・お出かけ先や、休日・夜間など、急に体の具合が悪くなって救急で診てもらったときに、「ふだん何の薬を飲んでいますか? 副作用はありましたか?」と聞かれた場合でも、手帳があれば安心です。

いつでも元気 2004.9 No.155

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ