くすりの話

1997年1月1日

くすりの話 子どもと熱さまし

Q:子どもがかぜをひいたとき、熱さましのとん服をもらいました。同じ幼稚園のお母さんは「解熱剤はあまり使わない方がいいらしい」といっていましたが、本当でしょうか。

A:子どもが熱を出すと親は不安ですね。でも、発熱は体が病気とたたかっている証拠です。熱が高いからといってかならずしも重症とは限りません。熱が出たときは、第一に安静にすることです。
解熱剤は、体温を調節する脳の神経に働いて、末梢血管を広げ、発汗をうながして熱を発散させます。解熱剤を使えば、苦しさや体力の消耗が緩和され、一時的 には症状が楽になりますが、細菌やウイルスにとっても居心地がよくなるため、病気が長引くこともあります。
したがって、発熱には解熱剤を1日3回飲ませるのではなく、熱が高いときだけ(目安は38.5度以上)使うのが一般的です。これを「とん服」といいます が、とん服とは症状をやわらげるために、必要なときだけ薬を飲むことです。一度使用したら5~6時間あけてください。つづけて使うと、体温が35度台にま で下がりすぎることがあります。すぐに吐いたり、坐薬を入れたあとすぐ便をした場合でも薬を追加せずに1時間ほど待ってみましょう。下がらないようならあ らためて1回分を追加してください。
熱が高いと体は汗をかき、水分を十分にとらないと脱水症状をおこします。脱水は尿が出ているかどうかでチェックできます。
あまり発熱を恐れず、「解熱剤は基本的には使わなくてよい」と考えていいでしょう。

Q:うちの子はなかなか薬を飲んでくれません。うまく飲ませる方法を教えて下さい。

A:話して聞かせることができる年齢であれば、病気のことと薬が大事だということをよく話してみましょう。たとえば、「この薬を飲まないと病気がよくならないよ」とか「病気をやっつけちゃえば○○ちゃんと遊べるよ。だから薬飲もう」とか…。
薬の味がいやで飲まない場合は、味を隠すためにジャムやヨーグルト、アイスクリーム、プリンなど子どもが好きなものに混ぜると食べてくれるかもしれません。
ただし、赤ちゃんのときにほ乳びんのミルクに混ぜると味が変わって全部飲まなかったり、ミルク嫌いになったりすることがあります。また、スポーツドリンク やジュースに混ぜるとかえって苦くなる薬もあります。味見をしてみてください。
粉薬を溶かすときは一口で飲める量に溶かし、スプーンやスポイトで与えるとよいでしょう。
おなかがいっぱいだと薬を飲みたがらないこともあります。そういうときは食前に飲ませましょう。
粉薬は少量の湯冷ましで団子状にして口のなかにこすりつけ、その後、水や湯冷まし、ミルクなどを与えます。どうしても粉薬が苦手という場合は、水薬やドラ イシロップ剤(水に溶かすとシロップ剤になる)をもらいましょう。

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