くすりの話

1997年1月1日

くすりの話 いろんな形でいろんな飲み方

Q:薬にはいろいろな形がありますが、それぞれどんな役割があるのですか。また、薬の色はどうしてもどぎついのでしょう。

A:昔の薬は、「良薬は口に苦し」といって飲みにくく、1日に何回も飲まねばなりませんでした。現在ではいろいろな工夫がされて飲みやすくなっています。
糖衣錠は、苦みがあったり変質しやすい薬を砂糖で包み、飲みやすくしたもの。
カプセルは、ゼラチン製の容器に薬をつめたもので、苦みや粉薬の飲みにくさを感じることなく飲むことができます。
粉薬も、いまでは顆粒状などに改善され、苦みを感じないようになっています。
シロップ剤は、粉薬や錠剤が飲めない小さい子ども用に、シロップを加えて甘くしてあります。
坐薬は、肛門から挿入して使います。多くは、痔や解熱・鎮痛の目的ですが、小さい子どもが口から飲めない場合にも使います。
そのほかにも、スプレー式の喘息の薬や胸に貼る心臓の薬などもできています。
色については、これまで他の薬と区別できるよう着色されていましたが、現在は食品と同じように発がん性の問題がでてきて、着色料が制限されました。現在では白い錠剤が多くなっています。(東京・ひまわり薬局 武井ふみ子)

Q:数種類の薬をもらいましたが、飲む回数や時間の指示がまちまちです。面倒なので一緒に飲んでもかまいませんか。

A:飲む回数や時間の指示は、薬が効果的に働き、副作用をできるだけ少なくするためのものす。薬の服用回数は薬の効果の持続時間によって決められています。効果の長い薬は1日1回でいいし、短い薬は1日3~4回飲む必要があるのです。
服用時間は、薬の作用や副作用を考慮しながら食事時間と関連させて指示されます。「1日3回食後に服用」というのは、食事に関連させて飲み忘れを防ぐことに大きな意味があるのです。
多くの薬は食後に、漢方薬のように空腹時に吸収のよいものは食前に、消化性潰瘍薬は薬を効かせたい食間(食後2時間らい)に服用します。解熱鎮痛剤は胃を 荒らす可能性があるので、食後に飲むのが原則です。(東京・みなみ調剤薬局 金沢英子)

Q:薬は水かお湯で飲むようにいわれますが、お茶はだめなのですか。ビール1杯ぐらいはどうですか。

A:薬を飲むのに一番適しているのはコップ1杯の白湯(ぬるま湯)か水です。大部分の薬はお茶やコーヒーで飲んでも効き目に影響はありませんが、たとえば通風の薬(尿酸合成抑制剤)はお茶と一緒に飲むと効き目が弱くなります。
アルコールは中枢神経を抑制します。睡眠剤、抗ヒスタミン剤などはそれ自体もアルコールと同じ働きをします。酒類でこれらの薬を飲むと、さらに中枢神経の 抑制作用が強く出てくるおそれがあるので絶対にやめましょう。(東京・あすか薬局 江上恵子)

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