副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2001年11月21日

副作用モニター情報〈177〉 ブレドニゾロン服用4日目でおきたムーンフェイス

 79歳女性、ネフローゼ症候群でプレドニゾロン40mgを服用開始四日後、ムーンフェイス、顔面紅潮がみられました(関東甲信越副作用モニター交流会報告 より)。基礎疾患はうつ病、高脂血症、併用薬はニューロタン、グリクラミン、メバロチン、アスパラカルシウム、デイアルファです。
 ステロイド剤によるムーンフェイスは周知の副作用です。頻度は高く、大量(30mg以上)ではほぼ100%、中等量(15~30mg)で50%、小量 (5~15mg)で10~20%に起こると言われ、中等量以上使用すると約2~3週間で現れてきます。
 ステロイド剤には食欲亢進作用があり、食べ過ぎて肥満になりやすくなります。また脂肪代謝に影響しますが、その影響は体の部位により異なり、顔、首、 肩、胴体の脂肪が多くなり、手、足の脂肪はむしろ少なくなります。こうしてムーンフェイスや中心性肥満になります。
 この症例では、4日という短期間に副作用が発現したため、電解質異常によるむくみも含めさまざまな可能性が論議されました。しかし、プレドニゾロン服用 後に発症している事、他の被疑薬は考えにくい事、また誰が見ても明らかなムーンフェイス症状である事より、大量プレドニゾロン投与に起因した副作用の可能 性有りとなりました。
 副作用発生時の患者対応としては、ムーンフェイスは生命に関わる副作用ではないこと、そして、ステロイド剤の減量により症状が軽減すること等を説明し、 治療を優先に考えて薬の服用を続けるよう指導することが大切でしょう。

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