副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2001年11月1日

副作用モニター情報〈175〉 在宅患者のジゴシン中毒に注意

 在宅医療がすすむなか、往診で管理する患者が増えています。これらの患者は比較的検査が行われにくい状況のため、ジゴキシンなどモニタリングが必要な薬剤をコントロールするには特に慎重になる必要があります。
 先日の関東甲信越副作用モニター交流集会に報告のあった例を示します。
 在宅管理されていた患者が発熱を契機に脱水をおこし、体内循環量が減少し、血液濃縮がおこりました。結果的にジゴキシンの血中濃度が上昇し、不整脈などの中毒症状が発現しました。
 寝たきりの患者では水分摂取の自己管理ができずに、感染症を契機に発熱から脱水になりやすい傾向があります。そのため、ジゴキシン中毒のリスクが高いといえます。発熱症状はとりわけ注意が必要です。
 過去にモニターに報告のあった脱水を伴うジゴキシン中毒症例を表に示します。

投与量 年齢 経  過 処置・転帰
ジゴキシン0.83mg
93歳男性
精神的に食欲低下し、脱水傾向
ジゴキシン濃度2.23ng/mlまで上昇
輸液にて改善
ジゴキシン0.125mg
75歳女性
徐脈にて発見、脱水傾向BUN53.1
ジゴキシン濃度4.38ng/mlまで上昇
中止にて回復
ジゴキシン0.125mg
91歳男性
心室性期外収縮発現
ジゴキシン濃度3.25ng/mlまで上昇
中止にて回復
ジゴキシン0.25T
78歳女性
食欲低下が2~3日続き、脱水、肺炎のため入院(徐脈、二段脈)
ジゴキシン濃度5.52ng/mlまで上昇
中止にて回復

 

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