くすりの話

2003年6月1日

くすりの話 63 安心して注射を受けるために

Q:注射はどんなときに使われるの?

A:注射薬は、内服薬に比べて早く、確実に効くという利点があり、次のような場合に使われます。
(1) 意識がない、嘔吐する、胃が弱っているなど、薬の内服ができない場合
(2) その薬が注射薬しかない場合(予防接種、インスリン注射、造影剤など)
(3) 内服よりも効果が優れている場合や速効性を期待する場合
 薬の特性によって、どこにうてばよいかが選ばれます。どこにうつかによって、皮内注射(ツベルクリン反応など)、皮下注射(インスリンなど)、筋肉内注射、静脈内注射、動脈注射などがあり、大量の薬液を入れるときには点滴注射が行なわれます。
 それぞれの方法により、吸収される速さもちがいます(下図)

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Q:注射を受けるときに気をつけることは?

A:内服薬と同じく注射薬にもアレルギー症状や副作用があります。しかも注射薬は、早く確実に効く分、それだけ副作用も急激に出てくる場合があるので す。しかし注射薬による副作用は、内服薬と同じように事前に避けられることもあります。今まで注射や食べ物でアレルギーをおこしたことのある方や、ほかの 薬を服用中の方は、必ず医師や看護師に伝えましょう。
 また、受ける注射薬がまちがいなく自分の薬であるかどうかを確認していただくことも大切です。

Q:注射事故を防ぐためには?

A:注射する側は、注射事故をおこさないために何重もの注意を払っています。
 たとえば、病院では注射するときに、その注射薬でまちがっていないかを複数の人で確認する、受ける方に名前を自ら名のってもらい、注射薬とそれを受ける本人が合っているか確認する、声だし確認を行なうなど、さまざまな工夫をしています。
 注射を受ける側も、いっしょに薬品名を確認したり、何のために投与されるのかを積極的に問いかけることが、とても効果的です。
 疑問があれば遠慮なく質問し、十分に納得した上で医療を受けることが、医療の安全性を高めることになります。

いつでも元気 2003.6 No.140

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