くすりの話

2003年11月1日

くすりの話 67 コンビニで薬が買える?!

Q:コンビニで薬が買えるのですか?

A:医薬品の販売規制緩和として、すでにコンビニやスーパーで、1999年3月末から栄養ドリンクなどが売られています。今度は、一般用医薬品まで、薬剤師のいない一般の店でも売ってもよいと、6月の経済財政諮問会議で決まりました。
 ドリンク剤のときと同じようにいくつかの品目を、薬局薬店でしか売ってはいけない「医薬品」の枠から「医薬部外品」の枠に移して売るのか、医薬品のまま 販売するのか、くわしいことは年末には決まるといわれています。

Q:米国ではどこでも売られていると聞きます。

A:6月に米国にいき薬局視察を行ないました。米国では、医療用医薬品の販売はできませんが、一般用医薬品の販売は規制がなく、食品スーパーでも販売されていました。
 しかし、これらの一般販売店はメインの何品目かを置いているだけで、しかもあまり売れていません。米国ではドラッグストアの数がたいへん多く、薬局・ド ラッグストアでの販売が主流になっているのが実情です。

Q:欧州ではどうでしょうか?

A:フランスでは薬局でのみ販売、ドイツ、イギリスでは原則として薬局での販売ですが、限定的にどこでも販売できる医薬品がごく少数あります。欧州では一般用医薬品の販売は薬局販売を基本として
おり、米国のやり方が世界的傾向とはいえません。

Q:医薬品がどこでも買えるのは国民には便利になってよいのでは?

A:薬以外のふつうの商品は、使い方が正しければ何か特別なことがない限り害をおこしませんが、医薬品は使い方が正しくても副作用をおこすことがあり、ほかの商品とは異なります。
 最近、「スイッチOTC」といって医療用医薬品からOTC(一般用医薬品)に移行するものが増加しており、よく効くけれど安全面では注意しなければなら ないものが増えてきています。
 医薬品販売の規制緩和が、「便利」だということでどんどん拡大される傾向にありますが、安全性の問題はどうなるのでしょう。便利になっても、安全性が追 いやられるとすれば、最終的には国民にとって不利益をもたらすのではないでしょうか。

いつでも元気 2003.11 No.145

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