くすりの話

2016年11月30日

くすりの話 薬の使用期限

回答・下浦芳久(兵庫・東神戸病院)

 「薬はいつまで使えますか?」「処方された花粉症の薬が余ったから来年飲んでも大丈夫?」「風邪薬を処方されたけど、治ったから次の風邪の時にも使っていいですか?」などの質問はよく聞きます。薬が余ったらどうするか、お話しします。

Q 薬はいつまで使えますか?

A 病院で処方する薬は、現在の症状や病気の状態に合わせ、個人用に考えられています。「似たような症状だから飲んでも大丈夫」というわけにはいきません。できるだけ、その時に飲み切ってください。
 また、病気が治ったり薬が変更になって、薬が余ることがあります。新しい薬と間違って服用したり、子供が誤って飲んでしまうと大変危険です。早めの処分をお勧めします。
 一方、市販されている薬の保存期間は6カ月~3年。多くの場合、外箱に使用期限が記載されています。しかし、この使用期限は未開封のまま、一定範囲の温度で保管した場合に限られています。一度開封すると、薬が湿気や光の影響を受けやすくなり、変質してしまうことがあります。使用期限以内であっても、開封して半年が過ぎたら使用しないほうが良いでしょう。

Q 目薬はいつまで使ってよいのでしょうか? 保存方法も知りたいです。

A 医療用目薬は、使用期限が記載されています。しかし、市販薬と同様に、使用期限は未開封が条件です。一度開封してしまった目薬は、開封後1カ月で使い切るか、余ったものは処分するほうが良いでしょう。なお、ほとんどの医療用目薬は、1本を1日2回使用すると1カ月で使い切るように調整されています。
 市販の目薬は、3カ月程度で使い切るか、余ったものは処分することをお勧めします。
 医療用も市販品も、使用するときは目薬の先端部分に触れないようにしてください。触れた部分が、ばい菌で汚染される可能性があります。使用前には必ず、目薬の色の変化や浮遊物などに注意してください。
 保存方法は目薬によって異なりますが、通常は光が当たらない所に、室温(1~30度)で保存してください。冷蔵庫に保管すれば良いでしょう。ただし冷蔵庫の場合は、凍らせないようにしてください。送風口の近くに置くのは避けた方が良いでしょう。

まとめ

・薬の使用期限は、未開封の状態での期限です。
・医療機関で処方された薬は、その時に使い切るか、余った場合は処分しましょう。
・市販薬は、開封後半年を目途に処分しましょう。
・湿気・温度・光に弱いものが多いので、保管には十分に気を付けましょう。
・困ったときは、薬剤師に相談してください。

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いつでも元気 2016.12 No.302

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