くすりの話

2007年1月1日

くすりの話 93 精神・神経科の薬は…

Q:精神・神経科で使用する薬にはどんなものがありますか?

A:大きくわけて抗精神病薬、気分障害改善薬、精神刺激薬、抗不安薬、睡眠薬などがあります。
 抗精神病薬には、幻覚や妄想などを軽減する、不安・焦燥感・興奮を鎮める、低下した意欲・活動性を回復させるなどの作用があります。
 気分障害改善薬には抗うつ薬と気分安定薬があり、抗うつ薬はうつ状態をやわらげ、気分安定薬はそう状態をやわらげたり、気分の波を抑えます。
 精神刺激薬には眠気をとったり意欲を出させたり、気分を高める作用があります。抗不安薬は、不安や緊張を取り除き精神を穏やかな状態に導く薬です。睡眠薬は文字通り、睡眠を促します。

Q:精神・神経科の薬は「クセになる」のでは?

A:抗精神病薬と気分障害改善薬には、耐性(長期間服用するうちに薬の効果が弱まり、薬の量を増やさなければならなくなること)や依存性はありません。
 また抗不安薬、睡眠薬のほとんどはベンゾジアゼピン系薬剤といわれるものですが、現在処方が認められているものは耐性や依存性が低く、長期の服用に耐え られるように開発されています。医師と相談し、その指示に従って服用していれば、「クセになる」ことはありません。

Q:服用上の注意点は?

A:精神・神経科で使う薬 には、効き目がでるのに時間がかかるものがあります。ですから効き目がないからとすぐに服用を止めたりせずに、医師の指示を守って服用を続けてください。 逆に効果があったからと思って勝手に止めてしまうと、むかつき、動悸、イライラ、不安、だるさ、不眠というような離脱症状が現れる可能性が高くなります。 自分の判断で服用を止めないようにしましょう。
 また、眠気の出る薬も多くあります。医師と相談するなどして、服用時間を工夫しましょう。眠気の取れないときは、車の運転や危険な機械の操作などは絶対に避けてください。
  薬によっては、他の薬との飲み合わせがよくないものもあります。精神・神経科の薬以外に薬を飲んでいる人や、市販の薬を服用する際には、医師、薬剤師に相談してください。
 これらの薬を服用中の人がアルコールを飲むと、薬の効き目が強く出ることがあり危険です。頭痛やめまい、もうろう状態になったり、異常に興奮状態になっ たり、服用後の記憶を短時間ですが失ってしまうなど、副作用が出る可能性も高くなります。アルコールで薬を飲むのは問題外です。
 治療効果をあげるには医師の指示どおり、決められた用法・用量を守りつづけましょう。

いつでも元気 2007.1 No.183

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