くすりの話

2007年8月1日

くすりの話 99 「調剤技術料」って何ですか?

Q:薬局の領収書に「調剤技術料」とありましたが、何ですか?

A:病院や診療所でおこなう診察、処置、検査などはそれぞれに「○点」と保険点数が定められています。1点=10円で計算され、これを診療報酬といいます。
 同じように薬局にも「調剤報酬」があります。調剤報酬には薬代のほかに「調剤技術料」なども含まれています。調剤技術料には「調剤基本料」「調剤料」があります。
 調剤基本料とは「薬局で処方せんに基づく調剤をおこなうこと」に対して算定される、いわば基本料金です。薬局の規模や業務内容により点数が決まっています。
 調剤料は「薬を調剤する技術(手間)」に対して算定され、薬の種類や処方日数によって異なります。また錠剤を半分に割るとか、粉薬や軟こうを混ぜ合わせ る、飲み込みが困難な人のために錠剤を粉状にするなど特別な技術が必要な場合、さらに点数が加算されます。「調剤技術料」の窓口負担分(1割とか3割な ど)を患者さんからいただいています。

Q:「技術料」というほど、調剤は手間がかかるものなのですか?

A:「調剤といっても、薬をそろえているだけでは…」と思う人もいるかもしれませんが、それほど簡単ではないのです。
 薬局には1000を超える種類の薬があります。名称や形が似ていたり、同じ成分でも名称が違う薬もあります。薬は“諸刃の剣” といわれます。間違った使い方をすれば患者さんの健康を損ないかねず、薬剤師は「間違わずに調剤する」という大前提を守るために細心の注意を払います。特 別な技術が必要な調剤や、飲む時間帯ごとに薬をワンパックにする調剤などは時間もかかります。
 さらに医師が処方した薬の用量や飲み方は適切か、薬同士の相性は悪くないか、過去に副作用を起こした薬が含まれていないか、治療中のほかの病気に悪影響 をあたえる薬がないか…など、患者さんの服用記録をもとにさまざまな情報を確認しながら調剤します。処方された薬の量や飲み方に疑問がある場合、飲み合わ せが悪い場合、副作用の恐れがある薬が処方された場合などは医師と相談して、薬を変えることもあります。
 また、患者さんから「先生の前では言い出せなかったけれど、勝手に薬を止めていた」「飲み忘れた薬が何カ月分も残っている」といった相談を受けることも 多く、そんな時は患者さんに代わって上手に医師に伝えるのも薬剤師の腕の見せ所、大切な仕事です。先生と相談し、患者さんともお話をして、きちんと薬を飲 んでいただけるように導きます。
 時には薬剤師と医師の意見が食い違うこともあります。このような場合も、患者さんにとって何が最善なのか考えて対応するよう心がけています。

いつでも元気 2007.8 No.190

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