くすりの話

2009年4月1日

くすりの話 113 すぐにはやめられない「血圧の薬」

Q:そもそも、高血圧はどうして起こるの?

A:血圧とは、心臓から全身に送り出された血液が、血管の壁を押す圧力のことです。この圧力が高すぎる状態を高血圧といいます(一般的に収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上)。
 血圧が高い状態が続くと、動脈硬化を起こしやすくなります。そして動脈硬化が進むと、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、腎不全など、さまざまな病気を招きま す。最悪の場合、脳出血などで突然死、ということもあります。
 高血圧は、もともと血圧が高くなりやすい「体質」のほか、塩分のとりすぎ、運動不足、肥満、喫煙、飲酒、ストレスなどの「生活習慣」が影響します。ま た、腎臓病やホルモン異常など何らかの病気があっておこる高血圧もあります。この場合は原因となる病気が治れば改善されます。

Q:「薬を飲まずに」血圧を下げられますか?

A:「血圧が高いから、すぐに薬を飲まなければ…」と考える人がいるかもしれませんが、生活習慣の見直しにより、血圧を安定させることは可能です。
(1)塩分をとりすぎないように気をつける
 塩分(ナトリウム)をとりすぎると、血液中の塩分濃度が高くなります。体は濃度を薄めようと、血管中の水分(血液)を増やすため、血圧が上昇してしまい ます。ですから、まず塩分を控えることが大切です。ソースやしょうゆをかけずに食べたり、お酢やコショウなど他の調味料で味に変化をつけるのも、塩分を減 らすには有効です。
(2)こまめに体を動かし、節酒と禁煙を心がける
 適度な運動は、血液の流れをよくし、血圧を下げる効果があります。ジョギングや散歩、水泳など、なるべく全身を使う運動がよいとされています。また、大 量の飲酒や喫煙は脳卒中や心筋梗塞などの危険性を高めるため、お酒は適量にとどめ、タバコはやめましょう。
 生活習慣の見直しを一定期間おこなっても、血圧が下がりにくい場合は薬を使うことになります。

Q:血圧の薬を中止することはできますか?

A:血圧の薬を使う目的は、血圧のコントロールと合併症を予防することなので、血圧が正常になっても、薬を飲み続ける必要があります。
 一般的に、血圧の薬は長い間飲み続けることが多いため、一度飲みはじめるとやめることができないと考える人もいるでしょう。しかし、生活習慣を見直し、改善がみられれば、薬の量を減らしたり中止したりする場合はあります。
 ただ当然、個人差があり、すぐにはやめられない人もいます。また、血圧の薬は急に中止すると血圧が上昇して危険な場合があります。頭痛やめまい、立ちく らみなど、薬のせいではないかと思われる不快な症状がある場合でも、自己判断で中止せず、医師や薬剤師に相談しましょう。

いつでも元気 2009.4 No.210

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