副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2004年7月5日

副作用モニター情報〈203〉 モーラステープによる副作用

 モーラステープは、有効成分であるケトプロフェンの局所濃度を高くかつ持続的に保つために油性テープ状システムを用いた製剤です。このため、同成分を有し ているモーラスに比べ、Cmax*1は3倍、AUC*2は7.6倍の血中への移行を示し、表に示すような副作用も多く報告されています。

 当モニターへ報告されたモーラステープの副作用は全部で67件、うち喘息発作2件、光線過敏症6件、接触性皮膚炎6件となっています。今回報告された喘息発作誘発例ではMS冷シップに変更後は発作を生じませんでした。

 本剤は、サリチル酸製剤の貼付剤とは性質が異なります。また同成分のモーラスと比較しても血中への移行は高く、慢性疼痛性疾患のみの適応となっていま す。効果が持続的で伸縮性・粘着性に優れる本剤は、使用する側からは好まれる製剤ではありますが、単なる湿布剤ではなく、NSAIDs内服剤と同様の重篤 な副作用の発生もあることを念頭において慎重に使用する必要があります。(*1;最高血中濃度 *2;血漿薬物濃度曲線下面積)

 

(市販後メーカー報告された症例数)
  アスピリン喘息 アナフィラキシー様症状 光線過敏症 接触性皮膚炎
モーラステープ
24
18
761
583
モーラス
7
7
97
295
 

(民医連新聞 第1335号 2004年7月5日)

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